内容説明
著者は上野壯夫、小坂多喜子夫妻の次女で、多喜子から壯夫のことを書きのこすように託された。そのときかならず、私のこともね、と言い添えていたことにとりかかった。そうしてでき上ったのが、この『夢前川』である。暗黒の時代に生きた両親である文学者二人を描きあげる稀有の視点―。
目次
第1章 ふるさと(母との別れ―ふるさと小坂・津山;青春―岡山・神戸)
第2章 上京(神近市子―落合;上野壯夫との出会い―有楽町「戰旗社」;肇出産―池袋;「プロレタリア文學」・「火の鳥」―上落合・阿佐ヶ谷;小林多喜二の死と上野壯夫の転向声明―阿佐ヶ谷)
第3章 文学と生活(「鷭」―落合なめくじ横丁・茨城安食;「婦人文藝」・「人民文庫」―中野区上高田・牛込砂土原町;父の死―夢前川;広野の夕陽―満洲;戦後―高円寺;「文芸復興」・「女体」―高円寺・柿生;上野壯夫の死―柿生)
著者等紹介
堀江朋子[ホリエトモコ]
上野壮夫・多喜子の次女として、1940年東京で生まれる。早稲田大学法学部卒業。図書館短期大学(現筑波大学図書館情報専門学群)特別養成課程で、図書館学を修了。日本文藝家協会会員。北上市口内町ふるさと大使。「文芸復興」同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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