内容説明
著者の50のエッセイと大橋歩の銅版画101点のコラボレーション。雑誌「anan」の好評連載が一冊に。しみじみ、ほのぼの。あなたの心にすとんとしみる、久しぶりのエッセイ集。
目次
スーツの話
滋養のある音楽
リストランテの夜
焼かれる
猫山さんはどこに行くのか?
うなぎ
ロードス島の上空で
にんじんさん
柿ピー問題の根は深い
跳ぶ前に見るのも悪くない〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
105
この世界は殺伐としているかもしれないけど、気分良く生きるに越したことはない。心の片隅にでも、そっと忍ばせて、時には読み返したくなる、そんなエッセイ。版画を使った落ちつきのある装丁が、手元に置いておきたくさせるんだな。休日の朝に音楽でも聴きながら、好きなところから自由に読んでみたい。スピンの代わりに大橋さんの版画カードが挟まれているのが実に心にくい。2019/01/25
とも
104
夜寝る時、少しづつ読み進めた。 やっぱりなんか雰囲気がいい。 時々出てくる音楽を調べて聴きながら眠るものよかった。 2、3とまた少しづつ読んで行こう。2021/12/12
どんぐり
72
雑誌「anan」(2000.3.17-2001.3.3日号)掲載のエッセイ集。ハルキさんの文章を春の爽やかな風が身体を通り過ぎていくような、心地よさをもって読み終える。20代~30代の女性向けに書かれているので、食べることや旅先のできごと、音楽、映画、猫や犬などのあたりさわりのない話が多い。ピリッと辛い柿の種とふっくらと甘い香りのあるピーナッツで、「柿ピー問題の根は深い」の一文を書いてしまうのが、いかにもハルキさんらしい。ほんとうは辛いエッセイを読みたいんだけど、それは無理なんだろうね。2016/05/06
ゆう
47
村上春樹さんの小説は、難しそう。と読友さんに話したら、エッセイは、読みやすいですよ。と薦められて、読んでみた。雑誌に連載された、50のエッセイ。村上春樹さんいわく、「好きなことを、好きに書けたので、けっこう楽しかった」と。なるほど。読んでる方にも、その楽しさが伝わってくる一冊だった。私は、この本、好きだなと思った。小説にチャレンジできる日は、来るのだろうか😅💦2022/02/21
キク
46
疲れてる時に読みたくなる本が人それぞれにあると思うけど、ぼくの場合は春樹さんのエッセイです。「そうだよな、クヨクヨしててもしょうがないよな」と思えて、少し前向きになれる。週刊朝日に安西水丸と連載した「村上朝日堂」シリーズも好きだけど、ananに大橋歩と連載した「村上ラヂオ」シリーズの方が、連載媒体と挿絵画家と春樹さんのご年齢の関係だろうけど肩の力が抜けてて、疲れてる時にすごく沁みます。当時「何故ゆえananなんだ?」と文芸編集方面が悔しがってた。それはいいけど、読者アンケート人気がどうだったのかは気になる2021/02/03