内容説明
和歌山県各地の港から、ちっぽけな内海用の船で遠く揚子江や南太平洋の戦場に投入された漁船や機帆船の乗組員たち。南方への徴用船で戻ってきたのは、たった一隻。乗組員の戦死率は軍人を超えた。
目次
第1章 大陸徴用の漁船群
第2章 大陸徴用の機帆船群
第3章 大海に四散した漁船
第4章 戦場で漁をした船
第5章 豪北の採貝船
第6章 大往生の機帆船
第7章 検閲済の手紙
第8章 徴用機帆船の群像
第9章 数値が示す徴用機帆船
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のりっく@泡沫戦史研究所(ワクチンうってもマスク・手洗い・うがい励行!)
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こんな趣味を持っていると何回かは「本に呼ばれた」経験はするものですが、今回はほんとに驚きました。以前から徴用漁船の資料として目をつけていましたが、なかなか買う機会がありませんでした。それが、たまたま仕事で立ち寄った支店の近所の、たまたま立ち寄った本屋さんの、たまたまやっていた特価本コーナーにぽつんと1冊この本が私を待っておりました。(w 全国各地からの漁船の徴用は日中戦争時の1937年ころから始まり、陸軍に徴用されて大陸の河川・クリークを利用した物資運搬作業等に従事していました。2009/11/01
ターレットファイターP.92提督
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日中戦争~太平洋戦争で徴用された漁船・機帆船について、和歌山県の船を中心に生存者への聞き取りや遺族のもとに遺された手紙などからどのようなものであったかを探った本。徴用に対する当時の様々な反応や、機帆船や漁船の船乗りがどのように暮らしていたのか、というのがおぼろげながら見えてきてよかった。2015/03/09