内容説明
ルイーゼの祖母ゼルマがオカピの夢を見るたびに、なぜか村の誰かが死ぬ。それも二十四時間以内に。彼女がオカピの夢を見たその日、夢の話は瞬く間に村中に知れわたり、死を免れる魔除けをもとめる者や、今まで隠していた秘密を明かそうとする者で騒然となる。が、しかし死神は、無常にも予期せぬ者の命を奪っていった―自分探しの旅を続ける父とつねに心ここにあらずの母、重量挙げの選手になるのが夢のマルティン、長年ゼルマを愛しているが告白できずにいる眼鏡屋、懐疑的な祖母、迷信深い叔母、日本のお寺で修行をしている仏僧フレデリクなど、風変わりな心温かい隣人たちに囲まれて、ルイーゼは、死と愛、そして人生について考えていく。
目次
第1部(牧場、牧場;眼鏡屋の秘めた愛;未発見の哺乳動物 ほか)
第2部(外部の者;開ける;実をいうと ほか)
第3部(無限の彼方;鹿;世界との和合 ほか)
著者等紹介
レーキー,マリアナ[レーキー,マリアナ] [Leky,Mariana]
1973年、ドイツのケルン生まれ。書店員の見習いをした後、ヒルデスハイム大学で文化ジャーナリズムを専攻。ベルリン在住
遠山明子[トオヤマアキコ]
1956年神奈川県生まれ。上智大学大学院でドイツ文学を専攻。ドイツ文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
19
ファンタジーっぽいところがある作品。ルイーゼの半生。2024/02/16
フランソワーズ
12
オカピの夢を見ると24時間以内に、村の誰かが死ぬ。ゼルマの予言夢に戦々恐々となる村人たち。物語はそこを起点として、彼女の孫ルイーゼを始め、さまざまな人の生の営みがユーモラスに、時に不可思議に描かれてゆく。→2023/02/07
かすみ
12
最初はファンタジー?と思いましたが、だんだん話の理解が進みました。少し不思議なお話です。2023/01/02
Momoko Nishikawa
7
図書館本。静かに進む物語。最初は退屈だったが、第一部終わりからグッと惹きつけられた。ゼルマがオカピの夢をみると誰かが死ぬ。 第一部は誰が死ぬのって感じ。 主人公から見えている家族や村の人々。 眼鏡屋さんは、なぜゼルマに気持ちを伝えられないのか? 言わないけれど伝わることもあるし、言わないからそのままでいられることもある。 2023/10/29
timeturner
7
不思議な読み心地。ファンタジーのようでファンタジーでなく、なのにファンタジーな事が起こる。登場人物はネジが外れているようでいてどこにでもいそうでもある。現代の話なのにノスタルジーにあふれていて温かい。ずっとこの村に住んでいたくなる。2022/12/31