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内容説明
現代イタリア文学の鬼才ブッツァーティがペンと絵筆で紡ぎ出す奇妙で妖しい物語世界。
著者等紹介
ブッツァーティ,ディーノ[ブッツァーティ,ディーノ] [Buzzati,Dino]
1906年、北イタリアの小都市ベッルーノに生まれる。ミラノ大学卒業後、大手新聞社「コッリエーレ・デッラ・セーラ」に勤め、記者・編集者として活躍するかたわら小説や戯曲を書き、生の不条理な状況や現実世界の背後に潜む神秘や謎を幻想的・寓意的な手法で表現した。現代イタリア文学を代表する作家の一人であると同時に、画才にも恵まれ、絵画作品も数多く残している。『六十物語』(1958年、ストレーガ賞受賞)などの小説作品のほか、絵とテクストから成る作品がある。1972年、ミラノで亡くなる
長野徹[ナガノトオル]
1962年山口県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院修了。イタリア政府給費留学生としてパドヴァ大学に留学。イタリア文学研究者・翻訳家。児童文学、幻想文学、民話などに関心を寄せる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
111
このような作品をものにしているとは思いもみませんでした。ブッツアーティの手になる絵と短い文章が見開き2ページになっています。奇妙な絵が多く、キリコ調のもあれば、アンディ・ウォーホルの感じのもあったり非常にカラフルな感じのもので印象には残ります。私は「モレル谷」は未読ですが読んでみたくなりました。2016/08/10
まーくん
81
イタリア人作家ティーノ・プッツアーティの『タタール人の砂漠』は不思議な作品だった。坦々と進んで最後に自分の人生の歩みを問われたような。でも、プッツアーティは自分の本職は画家で、作家ではないと言う。本書には彼の50数葉の得も言われぬ不思議な絵が載っている。絵にはそれぞれ短い物語がついている。それにしても何か不安な感じがする絵だ。キリコを想わせる謎めいた雰囲気。シュールな。かと思うとアメリカン・ポップ・アートのような。漫画のような。良家の子息を待ち伏せ、串刺しにする蜘蛛のような八本脚の姿の伯爵。四つ目の女。2022/05/18
nuit@積読消化中
62
ブッツァーティの絵画作品集。前回読んだ「モレルの谷の奇跡」同様にブッツァーティの独創的な絵に添書きとしてテクストが載っている。これが単なる絵の説明ではなく、この絵の謎解きの鍵になっていたりもするから、何度も絵を見返して自分なりに答えを探してみたりもしながら楽しめました。世間では小説家としての評価の方が高いらしいが「わたしの本職は画家です」と主張するブッツァーティ。実はまだ小説は短編でいくつかしか読んでないので、これを機会に手にとってみたいと思えるほど魅力的なアーティストです。2016/04/27
りー
32
本業は画家だったと言い張るブッツァーティによる、風刺的で寓話的な一枚の絵画と超掌編からなる絵物語集。おそらくもっと描かれた当時の時代・文化的背景なんかを理解できるだけの知識や知恵があればより深く楽しめるんだろうけれども、きちんと巻末に一つ一つの絵に対する解説が付いている親切設計なので猿でも面白く読める様になっている。ウキー。ちなみに「絵物語」で検索をかけたら関連シリーズとして俺物語と磯部磯兵衞物語が表示されたけどそれは本編とは全然関係ないので注意されたし。2016/05/21
宇宙猫
18
★★ 前に読んだ本もそうだったけど、不思議な国みたいな絵は好きだが性的な絵が不快。技量が未熟で画家として認められなかったのは時代だなと思う。2022/11/04