感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
58
#横山未来子 #短歌 君ゆゑに独りのわれか繰りかへし硝子にあたる蜂の羽音す #返歌 きみ多し私はあなたを知らぬゆえまず君のこと知りたいと思い 2016/04/08
fishdeleuze
10
水や生命を詠んだ歌が多い。言葉で切り取られた情景のなかに、作者の透きとおった静かな感情の余韻が香りのように残っている。静かで美しい歌集。「草叢にあまたの光ちりばめてしづかに雨は朝を離れつ」「草木のさわぎはじむる香を含みきさらぎの夜の風入り来つ」「湿りゐる落ち葉の層にしづむときわれの内部の記憶かたむく」2013/04/07
双海(ふたみ)
9
また時間をおいて読み返したい。気になる歌が変わると思うから。2024/12/08
yumicomachi
3
端正、清潔、繊細。しかしそれだけではない、情念を巧みに表現した恋の歌に惹かれた。〈上限の月折れさうに架かりをり応へやうのなきことを問ひにき〉〈かつて甘き言葉に我を遠ざけしひとの眉や眼をあつめてくづす〉26歳から30歳までの作品を収録した、平成15年刊行の第二歌集。2017/12/04
yumicomachi
2
再読。初読時は相聞歌に惹かれたが、今回は独特の身体感覚や世界の把握が表現された歌が素晴らしいと思った。〈遠空と向きあひながら草に寝む午後の地球にふかく凭れて〉〈木下闇ながく続けりひとつづつ忘れ物のやうに陽光は落ち〉〈水に差す手の屈折を眺めゐる夏のゆふぐれや過去のゆふぐれ〉など。1998年2月から2002年7月まで、著者の26歳から30歳までの作品367首を収めた第二歌集。著者の姉、横山未美子の手になるブックデザインも瑞々しく印象的。2019/08/08