内容説明
古典を学ぶ上に於て大切なことは「素読」です。素読は天明に通ずる先覚の書を、自分の目と口と耳とそして皮膚を同時に働かせて吸収するのです。これを読書百遍で繰り返し繰り返し続けることによって、自ら自分の血となり肉となるのです。それが時あって外に滲み出ると風韻となり、そういう人格を風格ともいうのです。
著者等紹介
伊與田覺[イヨタサトル]
大正5年高知県に生まれる。学生時代から安岡正篤氏に師事。昭和15年青少年の学塾・有源舎発足。21年太平思想研究所を設立。28年大学生の精神道場有源学院を創立。32年関西師友協会設立に参与し理事・事務局長に就任。その教学道場として44年には成人教学研修所の設立に携わり、常務理事、所長に就任。62年論語普及会を設立し、学監として論語精神の昂揚に尽力する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かず
20
『大学』とは儒教の経典であり、『礼記』より朱子が抜粋編纂したものです。「三綱領八条目」というものがあり、その実践こそが君子を目指す者に課せられています。三綱領とは「明明徳」「在親民」「止至善」、八条目とは「格物・致知・正意・正心・修身・斉家・治国・平天下」であります。己の長所をもって皆と親しみ、周りに尽くすこと、また、その為には、生きる上での根源となる原則を見つけ、己をブラッシュアップし、家をととのえることが、ひいては国の安寧、天下泰平に繋がる、というものです。素読には30分要すので、休日にやります。2021/12/12
コサトン@自反尽己
10
致知出版社の新春講演会に出席。その際に参加者に配布された書。 著者である伊與田氏の講演の時に、冒頭の数ページを参加者1300人全員で素読(朗読)するなど、なんとも貴重な体験をさせてもらった。 徳(明徳)を明らかにすることが、自らだけでなく、家庭や国をも正しく導くのであると、改めて大學から教えられた。 帰宅後翌日、改めて書き下し部分と上部にある現代訳を読了。声に出して読んでみたが、ページ数も少ないため一度だけで終わりとせずに、繰り返し繰り返し素読を心がけたい。読書百遍、意自ずから通ず。【書】2011/01/30
しょうご
7
『大学』の素読を始めました。 致知若獅子の会のときに毎回冒頭を素読していますが、毎日の習慣に取り入れてみようと思います。 意味が分からなくてもとりあえず続けてみます!
コサトン@自反尽己
7
9ヶ月ぶりの再々読。前回も前々回もタイトル通り素読(音読)したが、今回は初めて、セットで付いていたCD(著者の素読)と合わせて読んでみた。時間にして23分ちょっと。読書百偏。あまり間を開けずに、なるべく毎朝読むくらいの姿勢を心がけたい。2013/03/15
Yuma Usui
6
二宮尊徳が薪を背負いながら読んだ本で有名な『大学』の素読用CD付き本書。久しぶりに手に取って読んでみたが、紀元前430頃の本を未だに読めることに改めて感慨深いものがあった。2017/10/05