内容説明
人生には、宿命、運命、立命がある。いかにして人生を立命となすか。その極意を説いた。「陰隲録」に学ぶ。
目次
「陰隲録」を読む意義
第1章 立命の学
第2章 謙虚利中
第3章 積善
第4章 改過
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuma Usui
33
中国は明の時代に袁了凡が息子に向けて書いた「陰隲録」の安岡正篤氏による解説。人生で起きる全てのことは宿命だとする考えを捨て、自分の手で禍福を決める立命の大切さを教えてくれる。科挙制度など当時の時代背景の解説とともに戦後現代の課題に触れて、陰隲録を今の時代に活用する術を紹介している。特に『積善』と『改禍』は学びが多い。「われわれは自己・自分として自在であると共に、全体に対して分在するのであるから、自らそこに守分というものがなければならない。この自分自身と他己、及び全体との関係を礼という」が印象的。2020/07/25
かず
18
新年最初の読書に相応しいものを、と選んだのが本書。袁了凡の「陰隲録」について東洋思想の磧学である安岡先生が関西師友協会にて講義されたものを再販したもの。陰隲とは、陰=目に見えない、隲=定め、つまり宇宙の真理と私は解した。人は宿命に堕してはいけない、志を立て人生をより良く創造せねばならない、と説く。宇宙の真理とは「限りない創造・発展」と私は理解している。それに合致するよう身を修め、行動していきたいと強く祈念した次第である。2019/01/01
T坊主
10
平成2年に出版された著書の序章に”今の日本の状態は運命的に恐るべき危機に入っている”と、又77頁に”日本の言論界、思想界がいかに軽薄であるか”と書かれているが、25年経った今も変わらず同じ状態が続いているのではないでしょうか。1)古典派人間の根本、人生の原理、原則を説いている。2)懲りなければ人間は勉強しない、懲りてもしない人の方がもっと多いかもしれない。3)運命は決まっているのものではなく、自分で切り開いていくもの。4)日本のように自分の国語をないがしろにしている国は世界にない、文明国では初めてでは。2015/12/11
ちなつパパ
7
「運命」とは、そして「立命」とは何か。。。謙虚・積善・改過という道徳的精進によって、自らの運命を開拓(立命)し、人生を創造していくこと。何度も読み返してみたいと思わせる一冊です。2013/12/07
千手
6
昔、バイト先でお世話になった社員からもらった本。「人の上に立つ者は読んでおくべき本」だそうだ。「天命とは自分から作り、福は自分から求めて得る」ものなのだそうだが、引き寄せの法則は古今東西を問わず存在するものだと知り、興味深かった。人間がやるべきことは、まず志を立て、謙虚になり、善を積み重ね、犯した過ちを改めることだと述べる。そして、何よりも大事なのは『誠』の心だと強調する。私は毎日を聖人君子のように生きているわけではないが、心持ちを正しく持っていると幸運なことがよく起きる気がすることだけは確かだ。2012/06/10
-
- 電子書籍
- すばらしき新世界(フルカラー) 6 ズ…
-
- 和書
- 喫茶去 - 句集 道文庫