内容説明
朝鮮戦争直後、まだ人の死が身近にあり、混沌としていた嵐のような時代。モレ村の子どもたちは、いろいろな体験を重ね、その時代を駆けぬけて、大人になっていった。
著者等紹介
黄〓暎［ファンソギョン］
韓国の小説家。１９４３旧「満州」の新京（現長春）に生まれ、１９４５解放後、平壌に移る。１９４９越南しソウルに居住。東国大学哲学科卒業。肉体労働やベトナム戦争従軍などの経験をもとに、労働と生産、富と貧困をテーマに民衆の暮らしをリアルに描くことで定評がある。１９８９朝鮮民主主義人民共和国を訪問後、ドイツに亡命。１９９３帰国したが国家保安法違反（密入北）により７年の刑を受ける。１９９８仮釈放
キムセヒョン［キムセヒョン］
韓国の絵本作家・挿絵画家。１９６３忠清南道燕岐に生まれる。慶煕大学美術教育科卒業
波多野淑子［ハタノヨシコ］
１９３８福岡県に生まれる。奈良女子大学文学部史学地理学科卒業。元中・高等学校社会科教諭（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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ケイ
118
朝鮮戦争前後の韓国で、ある子供の目を通してみえたもの。その家族は、北から南へと、戦争勃発前に渡ってきた。ムラ的な弱者への蔑み。望まず産まれた青い目の子になんの罪がある、身体が不具でも心は普通に傷つけていいはずがない…、少年のぼんやりとした疑問が、大人になって筆をとる今はハッキリと意識している。淡々と書いているようで、その気持ちが読み取れる。あとがきを読んで作者の経歴に愕然とした。とてもつらい目にあった人は、その信条は強く、恨みや怒りを交えずに美しく語るのだなと思った。2002年の作品。2019/07/25
ファルコファン
1
ファン・ソギョンが朝鮮戦争前後の苦難の時代を生きたモレ村の子どもたちを描いた作品。 鎌腕橋、金ボタン、見知らぬ人、など心にしみる短編ばかり。 隣の国で全く違う歴史があったことが、自然に分かる。日本の植民地支配から解放されてからわずか数年後にこんなことがあったのかと考えさせられる。日本の植民地支配が無ければ分断も戦争もなかったかもしれないのに。2022/02/23
