内容説明
生まれる前のわたくしたちは、互いに翼を連ねて飛ぶ鳥だった―ヴィクトリア朝ロンドンを舞台に、天真瀾漫なレディと国際色豊かな使用人たちが謎に挑む傑作ミステリシリーズ。待望の書き下ろし新作!
著者等紹介
篠田真由美[シノダマユミ]
東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。1991年、ミステリ作家としてのデビュー作『琥珀の城の殺人』が第二回鮎川哲也賞の最終候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
小梅さん。
10
大好きなシリーズの前日譚。 ああ、彼らにはこういう過去があってこそのあの関係なのだ。 ヴィクトリアのチャールズへの想いの深さも胸にくる。 彼女の芯の強さにも。 もっとも、ご本人も自覚しているように、チャールズの妻子への扱いは、ね。妻が意固地になったのにも何かいろんなわけがありそうで。 最終話のスザンナが気の毒だった。弱くて、弱さゆえのずるさもあったけれど、でも、、、 ミス・シレーヌはそうだったのか。 そして、物語は始まっていく。シリーズの最初から読み返したくなる。あとがきに触れている件が実現するのが楽しみ2023/01/03
今日子
5
《2023年45冊目》このシリーズの面々が好きだったので、また読めるのは単純に嬉しい。今回は主にヴィクトリアが亡き夫、謎多きミス・シレーヌと如何にして出会ったのかが主な内容。追々は他の登場人物達とのエピソードも詳しく知りたいところだが、今後描かれるのだろうか。また続編も企画されているようなので、気長に待ちたい。2023/03/01
しのぶ
4
以前から気になっていたシリーズで、「完全版」と銘打たれ、「既刊を読んでなくても大丈夫!」(らしい)という声に背中を押されて読みました。こちらは前日譚とのことなので、これで気に入ったら1巻から読みなおそうかと思ってましたが、リニューアルして再刊されるとか? それなら気長に待とうかな、という気分。2023/07/03
paxomnibus
3
もしも私が10代だったら夢中になったであろう魅力的なキャラクターが勢揃い、なんだけど、このトシになるとさすがに無理なのであった。ミステリーというには謎が謎してない感じで弱いのよ。いえ、一応謎解きはあるんだけど、推理小説と呼ぶにはさらっとしすぎてるというか。ヴィクトリア朝の貴族と使用人の世界を詳しく書いてあるのは面白いんだけど、私はファーザーコンプレックスではないのでヒロインの気持ちがまず理解できないのであった。2023/04/01