目次
御殿山の相談会(村へ帰って来た正夫クン;新しくなったお化屋敷 ほか)
コドモ記者の活動(機械はマワル;怪しい箱 ほか)
親切な消防夫(花子さんの猫;コドモ新聞(第一号) ほか)
三里穴の幽霊探検隊(にぎり飯の怪;コドモ新聞(第三号))
著者等紹介
小熊秀雄[オグマヒデオ]
1901年、北海道小樽市に生まれる。1916年、樺太泊居町の高等小学校を卒業後、養鶏番人、炭焼、鰊漁場労働、農夫、昆布採、伐木人夫、呉服店員、製紙パルプ工場職工などをして働く。1922年、旭川新聞社の記者となる。旭川新聞に童話・詩を発表。1925年、上京。1931年、プロレタリア詩人会に参加。1932年、ナップ(プロレタリア作家同盟)に参加。1935年、『小熊秀雄詩集』(耕進社)、『飛ぶ橇』(前奏社)を上梓。1940年、『現代文学』に「流民詩集」他発表。11月20日死す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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印度 洋一郎
2
小熊秀雄が、自身の新聞記者体験をベースにした少年達による新聞社の物語。編集作業や印刷の様子までもリアルに表現されている。小学生なのにオートバイを乗りまわすのは、時代の大らかさだ。出て来る消防団がまるで江戸時代の火消し(纏持ちまでいる)みたいだが、昭和14~15年の地方はまだそんな感じだったのだろうか。ストーリーの随所に、現代の教育を受けた少年達が、村の迷信深い旧弊な大人達を諌めるくだりがあり、当時の漫画が持っていた教育的な要素を感じた。エピソードの後に「コドモ新聞」の紙面が挿入されているのも楽しい。2011/04/26