内容説明
現下の金融危機は人類の歴史上何回目かのパラダイム・シフトにあたる。いわば偉大な飛躍期に入った。時代の変化・変革は、イノベーター(革新者)とラガード(落伍者)を生む。すでに3000年前にギリシア、また数百年前の日本にはフロニーモス(イノベーションを導く人)つまり哲人を輩出するための教育が発展していた。本書の主旨は、これらの事実を検証し、あわせて日本の二一世紀の発展の条件、思考、教育(人づくり)、そして大学のありかたを展望することである。
目次
フロニーモスと偉大な飛躍=バラダイム・シフト
第1部 イノベーションの科学への前提へ(イノベーションを導く人=フロニーモス)
第2部 イノベーションの科学、フロニーモスの出現(フロニーモスの出現;フロニーモスのもとを考察しだしたソクラテス ほか)
第3部 フロニーモス教育(ソクラテスが始めた科学的教育;ヘレニズムとローマでの科学教育の衰退 ほか)
第4部と後書きに代えて
著者等紹介
武田修三郎[タケダシュウザブロウ]
日本産学フォーラム事務局長。早稲田大学総長室参与およびワシントン大学(セントルイス)アジア・アドバイザリーのカウンセラー、またカナダ・クエスト大学学長補佐。現在、フロニーモス育成のために武田アンド・アソシエイツを主宰。海外では戦略的シンカーとして知られ、日米戦略アドバイザリーのシニアアドバイザー等に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kawai Hideki
2
古代ギリシャと江戸末期。時代も場所も違う2つの社会にはある共通点があった。それは、パラダイムシフトを導くイノベーター(アリストテレスにならい本書ではフロニーモスと呼ぶ)が、ごく短期間に綺羅星のごとく輩出されたという点である。本書ではフロニーモスの特徴やフロニーモスを育てる教育とは何かについて、欧州/イスラム/日本における科学史/教育史をひも解きながら深く鋭く考察し、21世紀の教育のあり方を提言している。特に、江戸から明治の激動の時代を駆け抜けた先人達を育てた教育制度と、それを支えた哲学には大変感動した。2012/03/06
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