内容説明
大正二年の初冬、福田大観(魯山人)は川路豊吉の誘いで生糸や縮緬生産で繁栄していた長浜にやってくる。当時の長浜は県内で最初の銀行ができ、創立者である実業家たちの多くが、文化を楽しむ人たちであった。大観は柴田源七や安藤順造の食客として長浜に逗留し、小蘭亭を作り、「同風館」や「七本鎗」などの扁額を北近江をはじめ北國路に多く残した。美と食に開眼する前、大観の助走路であった。
目次
はじめに 北大路魯山人のイメージ
第一部 房次郎から福田鴨亭まで(京都での日々;東京での日々)
第二部 東京から江北、越前、加賀と京都(中国帰り;江北へ;京都との往還 内貴清兵衛との出会い;越前、そして加賀へ)
第三部 魯山人登場 桃山復興(美食倶楽部から星岡茶寮;房次郎の転換とその背景)
おわりに 魯山人の祖型としての大観
著者等紹介
畑中英二[ハタナカエイジ]
1967年、京都市東山生まれ。龍谷大学文学部史学科国史学専攻、人間文化学博士(滋賀県立大学)。専攻は考古学、中でも工芸史(陶磁器)、近江の地域史に興味を持つ。信楽焼窯跡調査に携わる。1991年より財団法人滋賀県文化財保護協会を経て、滋賀県教育委員会文化財保護課。2017年より京都市立芸術大学、現在同学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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