内容説明
三十三年式年大祭では、九村と呼ばれる近郷から山車・踊り・人形芝居・囃子などが盛大に奉納される。さらに苗村神社からの渡御は、千二百名もの人々が参列する壮麗なものである。大祭を彩る山車や芸能は三十三年前からいかに引き継がれ、時代の変化に即してよみがえったのか。大祭の次世代への継承に向けた記録を残すべく、調査に取り組んだ学生たちがレポートする。
目次
1 三十三年式年大祭とは(学生による式年大祭調査;式年大祭の歴史を探る;式年大祭を支える組織;竜王町の近年の概況)
2 九村で進められた大祭準備(山車―駕輿丁‐慶龍山の山車づくり;人形芝居―綾戸の人形芝居の伝承;囃子―殿村・川守のせんぎり囃子;囃子―川上・「おにぎり村」の鷺ばやし;踊り―伝統と改革、そして存続‐岩井集落の田刈り踊り・志っぽろりの復元;踊り―田中・稚児舞の舞台裏)
3 大祭の三日間(苗村神社の賑わい;島が迎えた式年大祭)
4 大祭の変化とこれから(祭りのしきたりはいかに更新されるか―田中集落囃子方の実践;三十三年後への継承に向けて)
著者等紹介
武田俊輔[タケダシュンスケ]
1974年奈良県生まれ。1997年東京大学文学部卒業。2003年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。修士・社会学。日本学術振興会特別研究員・江戸川大学社会学部非常勤講師を経て、滋賀県立大学人間文化学部地域文化学科講師。専門は社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
5
33年に一度、大規模な祭礼を行う滋賀県苗村神社。創祀不詳で祖霊信仰に始まる神社だそう。前回の祭が1982年。今回は2014年に行われる。「地元の人にとって一生に三度この大祭を経験できれば幸せだという」「現在の苗村神社の宮司は小野定章氏である…前回の大祭の時に宮司を務めていたのは、定章氏の父小野定親氏である…定章氏が宮司となったのは2013年で、これは近づく大祭に対応するためであった。宮司にとっても大祭は一世一代の大役なのである」山車、人形芝居、囃子、踊りなど古い記憶を呼び起こしながら改善しつつ受け継がれる2018/11/18