内容説明
千島列島の先住民族である千島アイヌは、日本とロシアの政治的、経済的思惑に翻弄され、収奪を受け、移住や文化の変容を強いられ、時代の流れの中に飲み込まれていった。その過酷な軌跡を、北海道で彼らの足跡をたどりながら、日本語、ロシア語、ポーランド語の文献を駆使してあざやかに描き出した、若きポーランド人研究者の労作。
目次
序論 千島アイヌの研究について
第1章 ロシア統治下における千島アイヌ(ロシア人によるヤサークの取り立て;ロシア正教の普及;千島アイヌのロシア同化)
第2章 一八七五年千島・樺太交換条約締結後の先住民の動向(千島列島における露米会社;千島・樺太交換条約およびその結果;ロシアへの移住;シコタン島への強制移住)
第3章 一八八四年以降、シコタン島における千島アイヌ(移住後の千島アイヌへの日本政府の政策;シコタン島の実態)
著者等紹介
マウゴジャータ,ザヨンツ[マウゴジャータ,ザヨンツ][Malgorzata,Zajac]
ポーランド生。1995年ポズナニ市・アダム・ミッキエヴィチ大学大学院修了。日本学専攻。同年、文部省から奨学金を受け、北海道大学スラブ研究センターで千島アイヌについての研究を行う。1997年には千葉大学大学院社会文化科学研究科博士課程・日本研究専攻に入学するが、その後も北海道に滞在を続ける。2002年「千島アイヌの歴史」で文学博士号授与。2000年よりアメリカに移住。2006年にはコロンビア大学で日本語教授法の修士号を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Miyoshi Hirotaka