千島アイヌの軌跡

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  • サイズ B6判/ページ数 178,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784883231843
  • NDC分類 211
  • Cコード C1021

内容説明

千島列島の先住民族である千島アイヌは、日本とロシアの政治的、経済的思惑に翻弄され、収奪を受け、移住や文化の変容を強いられ、時代の流れの中に飲み込まれていった。その過酷な軌跡を、北海道で彼らの足跡をたどりながら、日本語、ロシア語、ポーランド語の文献を駆使してあざやかに描き出した、若きポーランド人研究者の労作。

目次

序論 千島アイヌの研究について
第1章 ロシア統治下における千島アイヌ(ロシア人によるヤサークの取り立て;ロシア正教の普及;千島アイヌのロシア同化)
第2章 一八七五年千島・樺太交換条約締結後の先住民の動向(千島列島における露米会社;千島・樺太交換条約およびその結果;ロシアへの移住;シコタン島への強制移住)
第3章 一八八四年以降、シコタン島における千島アイヌ(移住後の千島アイヌへの日本政府の政策;シコタン島の実態)

著者等紹介

マウゴジャータ,ザヨンツ[マウゴジャータ,ザヨンツ][Malgorzata,Zajac]
ポーランド生。1995年ポズナニ市・アダム・ミッキエヴィチ大学大学院修了。日本学専攻。同年、文部省から奨学金を受け、北海道大学スラブ研究センターで千島アイヌについての研究を行う。1997年には千葉大学大学院社会文化科学研究科博士課程・日本研究専攻に入学するが、その後も北海道に滞在を続ける。2002年「千島アイヌの歴史」で文学博士号授与。2000年よりアメリカに移住。2006年にはコロンビア大学で日本語教授法の修士号を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Miyoshi Hirotaka

19
ロシア人によるアリューシャン列島や千島列島の発見後、植民地経営が本格化。先住民族に対して同化政策が行われた。アラスカの売却や千島と樺太の交換でロシアは後退。一方、先住民族への経済的従属、キリスト教化、同化等の政策は成功していた。このため、国境の占守島にロシア化されたアイヌが集積する国防上不都合な状況が生じたので、色丹島に移住させ、日本に同化させる施策が実施された。しかし、狩猟から牧畜や農業への転換は容易でなく、自然減が進んだ。終戦後は北海道へと移住。混血が進み、20世紀半ばには純粋な千島アイヌは消滅した。2019/05/22

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