内容説明
「いとも晴朗なる共和国」のイメージ戦略。「アドリア海の女王」、どの土地とも異なる、神の意志で作られた特別な場所―そうしたイメージ戦略を成功させ、ヨーロッパに君臨した水都ヴェネツィア。みずからのために生み出したさまざまな題材により自己神話化をはかったヴェネツィアの歴史を国家形成期から18世紀の没落までをたどる。
目次
第1章 奇跡の誕生
第2章 聖マルコの平和
第3章 ソロモンの知恵
第4章 オリンポスの援用
著者等紹介
ロザンド,デヴィッド[ロザンド,デヴィッド] [Rosand,David]
1938‐2014。ニューヨーク、ブルックリン生まれ、コロンビア大学で一九六五年博士号を取得。半世紀にわたり同大学美術史・考古学科で教鞭を執る。メイヤー・シャピロ美術史学教授、偉大なる教師賞、名誉称号を受ける。一六世紀を中心としたヴェネツィア絵画、特にティツィアーノ、ヴェロネーゼ、パルマ・イル・ジョーヴァネを研究し、『一六世紀のヴェネツィア絵画(Painting in Sixteenth‐Century Venice)』やティツィアーノのモノグラフをまとめる。美術史学の批判的手法を発展させ、ルネサンス期ヴェネツィア美術を社会的文脈の中で捉え直すことに努めた。ヴェネツィア美術史学の泰斗である
石井元章[イシイモトアキ]
1957年、群馬県生まれ。東京大学大学院人文社会研究科博士課程修了(文学博士)、ピサ高等師範学校大学院文哲学コース博士課程修了(文学博士)。武蔵野美術大学講師、大阪芸術大学助教授を経て、大阪芸術大学芸術学部教授。専門はルネサンス期イタリア彫刻、明治期日伊交流史。『ヴェネツィアと日本―美術をめぐる交流』(第二二回マルコ・ポーロ賞、第五回地中海学会ヘレンド賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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