内容説明
人の肉体には翼が眠っている。飛行と舞踊のアナロジー。
目次
第1章 イタリア未来派とは何か―揺れ動く未来派定義
第2章 マリネッティの身体感覚
第3章 舞踊と未来派(舞踊をめぐる未来派;未来派とバレエ・リュスの触媒現象;モダン・ダンスの二潮流)
第4章 航空ダンスとジャンニーナ・チェンシ(未来派ダンス宣言;飛行への憧れ―一九三〇年代未来派の「航空美学」;航空ダンスのあけぼの;ジャンニーナ・チェンシの飛ぶ身体と踊る身体)
付録 未来派宣言文和訳集
著者等紹介
横田さやか[ヨコタサヤカ]
1978年生まれ。慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻卒業。東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了。博士(学術)。ボローニャ大学大学院芸術学科博士課程修了。博士(映画音楽演劇学)。日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)を経て、現在東京外国語大学大学院総合国際学研究院特別研究員。同学他非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Mai
2
未来派ダンスの研究者による博論をベースにした力作。ダンスを中心としたイタリア未来派の活動がいかに人間的躍動感に満ちていたかが実感できた。とくに、文学宣言における言葉の省略はマリネッティの身体性の体現だという主張には感動した。助詞や副詞を切り詰めるのにあんなにもポエティックなのは、読み手に対し、単語の並びからダイレクトに「速度」を与えるためだったのだ。あっぱれ。未来派についての日本語文献が少ないなか、「未来派創立宣言」全文の他、いくつかの重要な宣言文の和訳が付録でついているなど、資料としての価値も高い。2025/12/01




