戦後前衛書に見る書のモダニズム―「日本近代美術」を周縁から問い直す

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  • サイズ A5判/ページ数 288p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784883035397
  • NDC分類 728.216
  • Cコード C0071

内容説明

明治以降、現在も「書」は芸術のジャンルとして不明瞭な立場にある。第二次大戦後、その状況に挑戦する「前衛書」といわれる革新的な試みがあった。なかでも牽引者となった四人、上田桑鳩、森田子龍、井上有一、篠田桃紅の作品と、国内外の美術家との交流に注目し、日本近代美術の制度的枠組みを問い直す。

目次

序章(「日本近代美術」のはじまりと書のモダニズム;明治前期―「書画分離」の成立と官僚の二重構造 ほか)
第1章 上田桑鳩と「現代の書」―「書のモダニズム」の萌芽(第二次大戦以前の上田桑鳩―「現代の書」の宣言と「線芸術」;モダニズム的な書の表現―一九五〇年代の上田桑鳩の作品 ほか)
第2章 森田子龍の「時間性」―美術との交流と戦後の「書画再分離」(文字を書かない試み―α部を巡る議論;『墨美』創刊―国内での対話と海外への発信 ほか)
第3章 井上有一の「脱技術」―美術との交流と新たな墨の開発(原点としての「脱技術」―上田桑鳩との出会いと法華経、宮澤賢治への眼差し;「プリミティヴ」なものへの発展―長谷川三郎への傾倒と「童書」への熱中 ほか)
第4章 篠田桃紅による「同時代の書画一致」―多分野へにじむ活動(文字と抽象のにじみ―最初期の作品に見られる「同時代の書画一致」;同時代美術としての新しい書―伝統文化と現代生活の接続 ほか)
終章

著者等紹介

向井晃子[ムカイアキコ]
神戸大学大学院国際文化学研究科国際文化学研究推進インスティテュート協力研究員。静岡県立大学卒。作家活動を経て、2019年神戸大学大学院国際文化学研究科博士課程修了。博士(学術)。専門分野は第二次世界大戦後の前衛書を中心とする日本近代美術史。作家としては、2005年に「アトリエ龍神の家」(田辺市)居住者に選出、個展多数。aki名義で活動し、2008年飛雲展神戸新聞社賞。2010年飛雲展飛雲会賞。2010年頃より「書くライブ」を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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