内容説明
日本のゲルマニスティクから投じられる一石が、明治時代の日独交流のリアルな様相を精緻に描き出す。日本のドイツ文学とドイツの日本学の開祖は、いかにしてドイツ語の日本文学史を書き上げたのか。その記述に基づき、日本人の研究協力を通じて、日独の学術的要素が混ざり合い変形していく知的なあり様を具体的に論じる。本書の波紋は、現代の日本文学研究の起源へと及ぶ。
目次
第1章 カール・フローレンツの周辺(日本とドイツにおける足跡;日本人の協力による日本文学研究;明治時代の日本文学史記述)
第2章 『日本文学史』の記述(整合性を欠いた論点;アナロギーの視点;文明的進歩から文化的推移へ;三種類の時代区分;古代から七九四まで;平安時代;鎌倉・室町時代;徳川時代;明治時代)
第3章 日独の学術文化(ドイツ・ゲルマニスティク;東洋言語研究;明治時代の国学)
第4章 結論
著者等紹介
馬場大介[ババダイスケ]
1985年生まれ。立教大学文学部文学科ドイツ文学専修卒業。同大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻博士課程修了。博士(文学)。専門は、ドイツ語・ドイツ文学研究史、日独交流史。現在、東京都立大学非常勤講師、立教大学兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。