内容説明
魅惑的なゴーギャン彫刻の創作原理とは何か。ゴーギャンは彫刻(陶器そして木彫)に、もはやヴォリュームを必要とせず、装飾性に富む「表面」こそが表現の場となった。19世紀芸術の諸問題と深く関係しつつ、20世紀彫刻の源流となったその革新的彫刻の霊感源を探る。
目次
序論―ゴーギャンの立体作品が提起する問題について
第1部 一九世紀における「画家=彫刻家」と「芸術家=職人」の登場(「画家=彫刻家」について―新パラゴーネの様相;「芸術家=職人」について―芸術のヒエラルキーの揺らぎ)
第2部 ゴーギャンの立体作品(初期の彫刻(一八七七~一八八五年)
最初の陶器(一八八六年秋~一八八七年初頭)
彫刻的陶器への発展と民衆的木彫の発見(一八八七年末~一八八八年末)
陶製彫刻と木彫浮彫(一八八九年と一八九〇年)
タヒチ滞在(一八九一~一八九三年)とパリ帰還(一八九三~一八九五年)―木彫偶像と究極的陶製彫刻
タヒチからマルケーサスへ(一八九五~一九〇三年)―最後の木彫作品)
結語
著者等紹介
廣田治子[ヒロタハルコ]
東京大学文学部美術史学科卒業。東京大学大学院修士課程修了。同人文科学研究科美術史専攻博士課程修了。博士(パリ第一大学‐パンテオン=ソルボンヌ)。1988‐90年、フランス政府給費留学。美術史家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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