内容説明
改革開放後、新疆ウイグル自治区にも大量の漢族が移住し、経済的にも漢語の需要が高まり、ウイルグル社会は大きな変容を迫られている。そうしたなか、双語教育(漢語と民族語)は、科目としての漢語教育から教授用言語の漢語化へと進んでいるが、さまざまな問題が起きている。その実態を、双語教育の歴史的展開をあとづけつつ、学校教育、家庭、社会生活などから明らかにし、多言語・多文化共生社会をめざす、民族教育のあり方を展望する。
目次
序章 現代中国における少数民族教育の課題
第1章 中国の民族政策と双語教育
第2章 新疆における双語教育政策の変遷
第3章 新疆社会における双語使用の歴史と地域性
第4章 双語教育における教授用言語の変化
第5章 双語教育における母語の重要性
第6章 家庭教育における双語受容
第7章 双語教育における道徳教育の実施
終章 民族教育の内実と和諧社会論
著者等紹介
グリジャナティ,アナトラ[グリジャナティ,アナトラ] [Guljennet,Anaytulla]
古力加娜提・艾乃吐拉。1971年、中国・新疆・ウルムチ生まれ。1992年7月、新疆大学卒業。1992年9月~2000年4月:新疆工学院(現在、新疆大学と合併)言語教育研究部講師。2000年4月来日。2003年4月~2011年3月:北九州市立大学、佐賀県立佐賀商業高等学校非常勤講師。2010年3月、九州大学大学院人間環境研究院博士課程修了、同研究院外国人学術研究員を経て、2011年9月から現職。現在、中国新疆師範大学言語学院、准教授・博士(教育学)。新疆少数民族双語教育研究センター研究員。専門は教育人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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