民族という政治―ベトナム民族分類の歴史と現在

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  • サイズ A5判/ページ数 305p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784883032341
  • NDC分類 389.231
  • Cコード C1022

内容説明

ベトナムの54「国定民族」は、いかにして確定されたのか。ドイモイ以降の「自由化」により、これまでの民族の枠組みを見直し「新たな民族」を要求する声があがりはじめた。ある「民族」とされることが、人々になにをもたらし、なにを求めさせるのか。多民族国家における上からの民族政策のはらむ危うさを明らかにしていく。

目次

第1章 ベトナム民主共和国における民族確定作業(ベトナム民族学の誕生;中国の民族識別作業 ほか)
第2章 ドイモイ下の少数民族援助・優遇政策(1989年の共産党政治局22号決議とその背景;「135プログラム」の目的と対象 ほか)
第3章 21世紀の民族確定見直し作業(1999年の国勢調査とサブグループからの不満の噴出;声をあげたサブグループ1 カオランとサンチー ほか)
第4章 利用される「極少少数民族」オドゥ族(オドゥ族の居住状況;来歴をめぐる伝説 ほか)
結論 権益としての民族―国家・地方政府・当人たち
資料

著者等紹介

伊藤正子[イトウマサコ]
現在、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科准教授。広島市出身。1988年、東京大学文学部東洋史学科卒業。毎日新聞社を経て、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得修了。2003年、博士(学術)取得。大東文化大学を経て、2006年から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Ishida Satoshi

0
読了。出張先で読み終えた。ベトナムには現在公式に54の少数民族がいるとされています。では人々がどの「民族」であるかを誰が判断したのか?本書は50年代以降、冷戦下の国際社会において少数派民族のアイデンティティ社会主義国家ベトナムの一国民として民族意識を持たせるため展開される「上からの民族確定作業」を丹念な調査によって明らかにしていきます。社会主義の「兄」的存在といえる中国による民族識別政策の影響、多数派キン族への帰属に抵抗する少数派への対応、ドイモイ以降市場自由化に伴う変化、中央政府と地方の認識の差異など、

samandabadra

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民族政策に関する記述に関して 特に類型と例示の仕方を学んだ本。 (某先生のソ連・ロシアの言語と政治とはえらい違い) 出版直前の事柄に関してまでフォローされていて 情報・知識を得ようとする執念みたいなものに 頭が下がる。 ただし、ベトナムの民族政策は 中国を模範とした、という考察は 社会主義圏の民族政策を勉強してきたものとしては ?がいっぱいつく。 2009/04/13

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