内容説明
日常史の視点からナチズムを検証し、近代の病理としてのナチズムの核心に迫るとともに、近代そのものを問い直す国際的に高い評価を受けたナチズム研究の画期をなす書。
目次
第1部 例外状態下の「日常」(日常史―もうひとつの視点;産業階級社会の危機とナチズムの台頭)
第2部 「民族共同体」と「民族反対派」のはざまで(「ふつうの人びと」の言動の矛盾;総統神話と日常の合意;第三帝国下のさまざまな紛争の領域 ほか)
第3部 「民族同胞」と「共同体の異分子」(民族共同体の理念と現実―社会的演出と私的なうけとめ方;秩序とテロル;社会政策としての人種主義 ほか)
補論にかえて 日常と野蛮―第三帝国の正常性をめぐって
追補 歴史家論争で、かったのはだれか―歴史家論争は、歴史学がナチ時代を克服するうえで前進なのか、それとも後退なのか
著者等紹介
ポイカート,デートレフ[ポイカート,デートレフ][Peukert,Detlev]
1950~1990年。1988年からハンブルクのナチズム史研究所所長、’89年よりエッセン大学近代史教授。ナチズム研究の第三世代を代表する一人。その活動や研究は若くして、国際的にも注目された
木村靖二[キムラセイジ]
1943年、東京生まれ。東京大学名誉教授
山本秀行[ヤマモトヒデユキ]
1945年、神奈川生まれ。お茶の水女子大学文教育学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kamakura
4
ナチスは一枚岩ではなく、政策は矛盾だらけで一貫性がなく、さまざまな形で民衆の反抗・反発にあっていた。ナチス下の民衆は、ナチスの言い分を、自分の利害に合致するものは取り入れ、そうでないものには相当強く反発した。特に少年たちの「海賊団」がヒトラーユーゲントをしばきまわっていたというのは痛快。しかし筆者ポイカートは、射程に「なぜユダヤ民族大量虐殺が可能であったのか」「反発はなぜ有効な抵抗にならなかったのか」を入れているので、「ナチズムたってこんなもんサ」という甘い結論にはしない。現在の我々はどうなのか、と問う。2023/01/08
可兒
3
おおくの史料と証言を駆使して、左右両陣営がつくりあげたナチス神話を粉砕してまわる労作。ひじょうに興味深い反面、著者が共産党に所属していたという経歴をもって「研究を実践に移す」と評価されたことにかんしてはいささかの羨望をおぼえる2013/01/18
伊崎武正
1
難しかった。詳しく書いてあったけど。2010/08/07
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