作品とコンテクスト
ボッティチェリ「プリマヴェーラ」―ヴィーナスの園としてのフィレンツェ

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  • サイズ B6判/ページ数 155p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784883031030
  • NDC分類 723.37
  • Cコード C0071

内容説明

優美な調和に満ちた楽園を思わせる「プリマヴェーラ」。しかし詳細に画面を探査していくにつれ、人物相互や空間表現に潜む驚くべき断絶に気づく。それは何故生じているのか?新資料を駆使し、旧説を覆しつつ、本書が解明するのは、“楽園”フィレンツェの覇権をめぐる、メディチ家の直系と傍系との政治的・文化的闘争である。

目次

植物と歴史
人物構成の謎
素材から見た内容
新しい仮説
ローマにあった手本
修復の結果
ロレンツォ・ディ・ピエルフランチェスコとロレンツォ豪華公
月桂樹とフィレンツェ
下向き火炎模様
医師および帯剣者としてのメルクリウス
オレンジの楽園
額縁の乗り越え
発注者の教養と哲学
暴力と愛の統一
冥界の春
孤立と調和
ヤーヌスの2つの顔をもつ様式
瞬間と永遠
歴史的エピローグ

著者等紹介

ブレデカンプ,ホルスト[ブレデカンプ,ホルスト][Bredekamp,Horst]
1974年にマールブルク大学で博士号を取得、同年、フランクフルト・アム・マインのリッビッヒハウスで2年間博物館勤務。1976年ハンブルク大学美術史研究室助手を経て1982年ハンブルク大学美術史の教授

中江彬[ナカエアキラ]
1944年、長崎で生まれ佐賀県で育つ。1967年、九州大学大学院修士過程修了。1968年、九州大学大学院博士過程中退後、九州大学文学部助手、大阪府立大学教養部助手、講師、同大学総合科学部助教授を経て、1991年より、大阪府立大学総合科学部教授。専門はイタリア美術史
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感想・レビュー

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ヴェネツィア

325
著者のブレデカンプはハンブルク大学の美術史教授。本書は、【プリマヴェーラ】がこれまでロレンツォ豪華公の注文によるものとされてきたのに異論をとなえ、実はメディチ家傍系のロレンツォ・ディ・ピエルフランチェスコの発注によるものであることを証明しようとしたものである。その考察の正否は、門外漢である私には全く判断の限りではないが、説得力は大いにありそうだ。ただ、鑑賞する立場からすれば、だからどうということはないのだが。新たに知ったのは、この絵の左側に『ミネルヴァとケンタウルス』が置かれていて、【プリマヴェーラ】の⇒2022/03/31

hitotoseno

11
500年以上にわたって我々を魅了してきたボッティチェリの名画『プリマヴェーラ』は、実は(名画にもかかわらず、というべきか、名画だからこそ、というべきか)変な絵である。たとえば画面右には西風を吹かす神ゼフュロスとニンフのクローリスが描かれ、追手から逃れようとする女の衣装は西側(画面右)から吹く風にあおられているのだが、その左手に描かれているフローラの衣装は、逆に東側(画面左)から吹く風にあおられている。2017/08/24

ik

3
造形的、経済的観点からボッティチェッリの《春》の制作年代を再考し図像解釈を行う。非常に説得力があるように思えるのだが巷説は覆っていないようなので、最初についてしまった固定観念というのはなかなか取れないものなのだなと。2013/05/21

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