出版社内容情報
描かれた多くの事物に複雑な意味付けをすることを誘い、解釈の迷宮にひきこむ画家の目論見をよみとく。
内容説明
デューラーの銅版画の最高峰に位置付けられる《メレンコリア1》。そこに描き込まれた事物―有翼の人物、眠る犬、魔法陣、虹と海へ落ちていく彗星、コンパス、鍵束、砂時計。それらはあまたの意味付けを重ねる解釈の迷宮をなしてきた。象徴と意味との固定した関係を混沌へと投げ込む、画家の目論見を読みとく。
目次
第1章 有翼のメランコリア
第2章 眼と視線
第3章 人相学的表現と葉冠と蝙蝠
第4章 プットー
第5章 無秩序
第6章 諸道具と菱面体
第7章 時間と数
第8章 幾何学のタイプとメランコリーのタイプ
第9章 建築物と梯子
第10章 彗星と虹、海と陸
第11章 解釈の問題―方法論的前置き
第12章 伝記上の背景
第13章 ネッテスハイムのアグリッパ
第14章 マルシリオ・フィチーノと《メレンコリア1》の哲学的意味