CMCテクニカルライブラリー
界面活性剤の機能と利用技術

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 302p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784882318804
  • NDC分類 576.5
  • Cコード C3043

出版社内容情報

(2000年『機能性界面活性剤―基本特性と効果的な利用技術―』普及版)

--------------------------------------------------------------------------------


 界面活性剤の特徴は,その分子の中に親水性の部位と疎水性(親油性)の部位が共存していることである。さらにこれらの力を目的とする応用の発現となる機能に対応して分子設計できることである。現象的な面からは,それは界面に配向した吸着膜が形成されることであり,この吸着膜の強度の制御が可能となることであると考えられる。このことは,界面活性剤の分子構造の特徴から由来する分子会合を示すことと同一である。さらに分子会合から組織体の形成が自発的に起こり,いわゆる自己組織化によって分子組織体が形成される。このような分子組織体は生体にみられる生体機能発現の基本要素体である。一方計測技術の一段の進歩により界面活性剤の機能が分子レベルで可視的に観察することも可能になった。
 このような背景のもとで界面活性剤の利用分野における一層の飛躍が期待される。本資料が将来の展開のための飛躍台になることと思う。

2000年8月 角田光雄

--------------------------------------------------------------------------------

普及版刊行にあたって
 なお,本書は2000年8月に『機能性界面活性剤―基本特性と効果的な利用技術―』として刊行されました。普及版の刊行にあたり,内容は当時のままであり加筆・訂正などの手は加えておりませんので,ご了承ください。
2006年4月 シーエムシー出版 編集部


--------------------------------------------------------------------------------

角田光雄 文化女子大学 服装学部 教授
西尾宏 ライオン(株) 広報部 主任部員
田端勇仁 日光ケミカルズ(株) 取締役大阪支店長
(現)日光ケミカルズ(株) 理事
田村隆光 ライオン(株) 物質科学センター
寺林剛 ライオン(株) 物質科学センター
橋本悟 日本サーファクタント工業(株) コスモス応用開発部
(現)ニッコールグループ (株)コスモステクニカルセンター
深津隆 セイミケミカル(株) 企画開発部
占野尚之 セイミケミカル(株) 企画開発部
作田晃司 信越化学工業(株) シリコーン電子材料技術研究所  第1部 主任研究員
石上裕 環境庁 国立環境研究所;東京学芸大学・韓国 忠北大学校・中国 南京理工大学
(現)東京学芸大学・ 明星大学・立教大学・中国 南京理工大学 講師
内山裕夫 環境庁 国立環境研究所
(現)筑波大学 大学院 生命環境科学研究科 教授
向山恒治 ライオン(株) 研究開発本部 ファブリックケア研究所 所長
難波富幸 (株)資生堂 基盤研究センター 基剤開発研究所 主任研究員
(現)(株)コスモステクニカルセンター 素材開発部 部長
小石眞純 東京理科大学 基礎工学部 教授
(現)東京理科大学 名誉教授
渡部忠一 アグロ カネショウ(株) 研究所 所長
(現)アグロ カネショウ(株) 研究部 部長
福本泰久 花王(株) 化学品研究所 主任研究員
内田重二 日華化学(株) 研究開発本部 繊維化学品開発部 部長
髙橋広通 花王(株) 化学品研究所 グループリーダー
堀家尚文 三洋化成工業(株) 機能樹脂研究部 部長
(現)三洋化成工業(株) 事業研究本部 本部長
加藤友治 太陽化学(株) FI事業部長
(現)太陽化学(株) 取締役 技術担当
間宮富士雄 間宮技術士事務所 所長
泉達雄 花王(株) 化学品研究所 第1研究室第1グループ グループリーダー
(現)Technical manager Kao Chemicals GmbH(花王ドイツ化学)
溝口誠 (株)同仁化学研究所 研究部チーフ
聳城裕 ライオン(株) 研究開発本部 安全性評価センター 副主席研究員
(現)ライオン(株) 研究技術本部 安全性評価センター 所長
(執筆者の所属は,注記以外は2000年当時のものです。)


--------------------------------------------------------------------------------


総論 界面物性を制御する有用な材料としての界面活性剤(角田光雄)
1. 界面・表面,分散系および界面活性剤
2. 応用に関連する界面および分散系の基本的現象
2.1 表面張力・界面張力
2.2 乳化
2.3 ぬれ
2.4 まとめ

第1章 界面活性剤とその利用技術の現状(西尾宏)
1. 界面活性剤
1.1 界面と界面活性剤
1.2 界面活性剤の定義
1.3 界面活性剤の持つ性質
1.4 界面活性剤の種類および分類
1.5 特殊な界面活性剤
2. 界面活性剤の工業的利用
2.1 界面活性剤の工業的使用例
2.2 1999年の界面活性剤の生産量・出荷量
2.3 界面活性剤の生産量・出荷量推移
2.4 需要別用途構成比の推移

第2章 これからの界面活性剤(田端勇仁)
1. はじめに
2. 高純度界面活性剤
2.1 高純度化により期待される機能
2.2 高純度化の実際例
3. 高分子界面活性剤
3.1 高分子量化により期待される機能
3.2 高分子量化の実際例
4. 自己会合性に優れた界面活性剤
5. 高機能性,多機能性界面活性剤
6. 生分解性,安全性に優れた界面活性剤
7. おわりに

第3章 効果的な利用を計るための界面活性剤の構造と機能(田村隆光,寺林剛)
1. はじめに
2. 界面活性剤の分子構造と溶解性
2.1 分子構造と臨界ミセル濃度
2.1.1 親水基の構造とcmc
2.1.2 疎水基の構造とcmc
2.1.3 温度の影響
2.1.4 添加物の影響
2.2 分子構造とクラフト点
2.2.1 疎水基の影響
2.2.2 多価金属イオンの影響
2.2.3 界面活性剤混合系
2.2.4 無機塩の影響
3. 界面活性剤-水系の相挙動
3.1 イオン性界面活性剤
3.2 非イオン性界面活性剤
4. おわりに

第4章 界面活性剤の新しい利用技術(橋本悟)
1. はじめに
2. 異種界面活性剤同士の相互作用の利用
2.1 複合界面活性剤の溶液物性およびその利用
(1) アニオン-アニオン複合系
(2) アニオン-カチオン複合系
(3) アニオン-非イオン複合系
(4) カチオン-非イオン複合系
(5) アニオン-両性複合系
3. 水溶液中での構造体形成性の利用(自己組織性の利用)
3.1 自己組織性を利用した油性汚れの洗浄
3.2 自己組織性を利用した乳化技術
(1) 液晶乳化法,D相乳化法
(2) 非水乳化法
(3) ゲルネットワーク法
4. 界面への自己吸着性の利用(運搬手段としての利用)

第5章 フッ素系界面活性剤とその応用(深津隆,占野尚之)
1. はじめに
2. フッ素系界面活性剤の合成
3. フッ素系界面活性剤の特性と機能
3.1 Rf基の表面(界面)特性
3.2 炭化水素系界面活性剤との併用
3.3 Rf基鎖長の影響
3.4 Rf基の表面移行性
4. フッ素系界面活性剤の産業分野への応用
4.1 界面活性剤としての応用
(1) 重合乳化剤
(2) 消火剤
4.2 コーティング剤としての応用
(1) 濡れ(レベリング)性向上剤
(2) その他の用途
4.3 表面改質剤としての応用
(1) 練り込みによる表面改質
(2) コーティングによる表面改質
5. 今後の展望

第6章 シリコーン系界面活性剤とその応用(作田晃司)
1. はじめに
2. シリコーン界面活性剤の構造と特徴
3. 合成方法
4. 最近のシリコーン界面活性剤について
4.1 ポリエーテル変性シリコーン
4.1.1 化粧品用途
4.1.2 農薬用展着剤用途
4.2 ポリグリセリン変性シリコーン
4.3 共変性シリコーン活性剤
4.3.1 アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン
4.3.2 フッ素アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン
4.4 部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン
4.4.1 高分子乳化剤(1)
4.4.2 高分子乳化剤(2)
5. おわりに

第7章 バイオサーファクタントとその応用(石上裕,内山裕夫)
1. はじめに
2. バイオサーファクタントとその研究開発の経緯
3. バイオサーファクタントの種類,生産の概要および用途
(1) 糖脂質系
(2) 脂肪酸系
(3) バイオポリマー
(4) リポアミノ酸およびペプチドリピッド
(5) リン脂質
(6) サポニン
4. バイオサーファクタントの生産
5. バイオサーファクタントの機能開発
5.1 ファインケミカルズへの応用
5.2 環境修復への応用

第8章 各分野における界面活性剤の効果的利用技術
1. 洗浄剤(向山恒治)
1.1 はじめに
1.2 洗浄剤に利用される界面活性剤
1.2.1 アニオン界面活性剤
1.2.2 ノニオン界面活性剤
1.2.3 カチオン界面活性剤
1.2.4 両性界面活性剤
1.3 各種洗浄剤への応用
1.3.1 粉末衣料用洗剤
1.3.2 液体衣料用洗剤
1.3.3 食器洗い用洗剤
1.3.4 その他

2. 化粧品(難波富幸)
2.1 はじめに
2.2 化粧品における界面活性剤の役割
2.3 化粧品に用いられる機能性界面活性剤
2.3.1 シリコーン系界面活性剤
2.3.2 糖系界面活性剤
2.3.3 高分子界面活性剤
2.3.4  おわりに

3. 医薬品(小石眞純)
3.1 はじめに
3.2 薬剤/製剤における基礎的事項
3.2.1 研究分野の分類
3.2.2 物理薬剤学と生物薬剤学における製剤
3.2.3 医薬品製剤と製剤の形態
3.2.4 医薬品添加剤としての界面活性剤
3.3 おわりに

4. 農薬(渡部忠一)
4.1 はじめに
4.2 農薬製剤の生産量と剤型
4.3 農薬製剤技術と界面活性剤
4.4 農薬製剤技術の現在と動向
4.5 粉状剤
4.5.1 粉剤
4.5.2 粉粒剤
4.6 粒状剤型
4.6.1 粒状剤
4.6.2 顆粒水和剤
4.6.3 水面展開剤
4.7 水和製剤
4.8 液状製剤型
4.8.1 乳剤型
4.8.2 マイクロエマルション製剤
4.8.3 水溶性液状製剤
4.8.4 油剤
4.8.5 流動剤
4.9 水溶性固形製剤
4.10 錠剤型
4.11 放出制御製剤
4.12 省力施用製剤技術
4.13 農薬用アジュバント技術
4.14 生物農薬製剤の製剤化技術
4.15 界面活性剤の「環境ホルモン」問題
4.16 おわりに

5. 印刷・塗料(福本泰久)
5.1 はじめに
5.2 顔料分散の界面科学的要因
5.3 高分子分散剤の特長と種類
5.4 顔料の表面処理剤
5.5 おわりに

6. 繊維(内田重二)
6.1 はじめに
6.2 精練剤
6.2.1 環境を配慮した精練剤
6.2.2 素材・機械に適応した精練剤
6.3 オリゴマー除去剤
6.4 浴中品質向上剤
6.5 湿潤堅牢度向上剤
6.6 難燃加工剤
6.7 制菌・抗菌防臭加工剤
6.8 柔軟剤
6.9 撥水剤
6.10 水系ウレタン樹脂

7. 紙・パルプ(髙橋広通)
7.1 はじめに
7.2 消泡剤
7.3 顔料分散剤
7.4 脱樹脂剤
7.5 フェルト洗浄剤
7.6 ピッチコントロール剤
7.7 脱墨剤
7.7.1 新聞古紙脱墨
7.7.2 上質古紙脱墨

8. ゴム・プラスチック(堀家尚文)
8.1 はじめに
8.2 帯電防止剤
8.2.1 帯電防止方法
8.2.2 帯電防止剤の種類
8.2.3 永久制電性プラスチックの設計手法
8.3 防曇剤
8.3.1 防曇剤の種類
8.4 相容化剤
8.4.1 相容化剤の役割と種類

9. 食品(加藤友治)
9.1 はじめに
9.2 食品用乳化剤の種類と特徴
9.3 乳化剤の機能と用途
9.4 食品への応用例
(1) 乳製品
(2) 飲料
(3) 加工油脂
(4) 菓子類
(5) 小麦粉製品

10. 金属加工(間宮富士雄)
10.1 はじめに
10.2 洗浄方式の種類について
(1) 浸せき洗浄法
(2) 電解洗浄法
(3) スプレー洗浄法
(4) ブラシ洗浄
(5) その他の方法
10.3 洗浄剤について
10.3.1 洗浄性に影響する汚れと鋼板表面の状態
10.3.2 汚れの鋼板表面からの除去
10.3.3 洗浄剤の必要条件
10.3.4 アルカリ洗浄剤
10.4 酸洗抑制剤について

11. コンクリート(泉達男)
11.1 はじめに
11.2 高性能AE減水剤
11.2.1 高性能AE減水剤の種類と化学構造
11.2.2 高性能AE減水剤の規格・基準
11.3 高性能AE減水剤の分散機構
11.3.1 セメント分散機構
11.3.2 セメント分散保持機構
11.4 最近の応用例
11.4.1 高強度コンクリートへの高性能AE減水剤の応用
11.4.2 自己充填コンクリートへの高性能AE減水剤の応用
11.4.3 二次製品分野への高性能減水剤の応用
11.5 おわりに

12. 生化学的応用(溝口誠)
12.1 はじめに
12.2 生化学的応用例
12.3 臨床化学における応用
12.3.1 試薬の安定化剤
12.3.2 血中コレステロールの測定
12.3.3 血球成分の分析
12.4 細胞化学への応用
12.4.1 生細胞への蛍光プローブの導入
12.4.2 DNAの取り出し
12.5 今後望まれる生化学的界面活性剤

第9章 界面活性剤利用における安全性(聳城豊)
1. はじめに
2. 安全性評価の考え方
2.1 有害性/有用性(Risk/Benefit)バランス
2.2 実用上の安全性確保
2.3 潜在的リスクの把握
3. 安全性評価の項目と試験
4. 通常使用時の安全性評価
4.1 局所への影響評価
(1) 皮膚刺激性
(2) 皮膚感作性
(3) 光過敏性
4.2 全身への影響評価
(1) 長期毒性
(2) 生殖発生毒性
(3) 変異原性
5. 誤使用時の安全性評価
5.1 局所への影響評価
(1) 眼刺激性
5.2 全身への影響評価
(1) 急性毒性
6. 界面活性剤の安全性データ
7. おわりに


目次

総論 界面物性を制御する有用な材料としての界面活性剤
第1章 界面活性剤とその利用技術の現状
第2章 これからの界面活性剤
第3章 効果的な利用を計るための界面活性剤の構造と機能
第4章 界面活性剤の新しい利用技術
第5章 フッ素系界面活性剤とその応用
第6章 シリコーン系界面活性剤とその応用
第7章 バイオサーファクタントとその応用
第8章 各分野における界面活性剤の効果的利用技術
第9章 界面活性剤利用における安全性

著者等紹介

角田光雄[ツノダテルオ]
文化女子大学服装学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

最近チェックした商品