「社会正義」はいつも正しい―人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて

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「社会正義」はいつも正しい―人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて

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  • サイズ 46判/ページ数 432p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784152101877
  • NDC分類 309
  • Cコード C0030

出版社内容情報

フェミニズム、クィア理論、批判的人種理論――〈社会正義〉の御旗の下、急激な変異と暴走が続くポストモダニズム。「第二のソーカル事件」でその杜撰な実態を暴き、全米に論争を巻き起こした著者コンビが、現代社会を破壊し続ける〈理論〉の正体を解明する!

内容説明

「男性の肛門を性具で貫くことでトランスフォビアを治す」、フェミニズムの用語で書き換えたヒトラー『わが闘争』等、著者らが学術誌に投稿したデタラメ論文20本中7本が査読を通過した―。現代世界を席捲する「社会正義」その根拠を問う。

目次

第1章 ポストモダニズム―知と権力の革命
第2章 応用ポストモダニズムへの転回―抑圧を現実に
第3章 ポストコロニアル理論―他者救済のために西洋を脱構築する
第4章 クィア理論―ノーマルからの自由
第5章 批判的人種理論と交差性―人種差別を終わらせるために、あらゆるところに人種差別を見い出す
第6章 フェミニズムとジェンダー・スタディーズ―高度化としての単純化
第7章 障害学とファット・スタディーズ―支援グループのアイデンティティ理論
第8章 社会正義研究と思想―社会正義的な真理
第9章 行動する社会正義―机上の空論
第10章 社会正義イデオロギーに代わるもの―アイデンティティ・ポリティクスなきリベラリズム

著者等紹介

プラックローズ,ヘレン[プラックローズ,ヘレン] [Pluckrose,Helen]
政治・文化に関する著述家。ウェブマガジン「Areo」の元編集長。ポストモダニズム、リベラリズム、フェミニズムなどをテーマにした評論を数多く手がける。2017年から2018年にかけて、ジェームズ・リンゼイ、哲学者のピーター・ボゴシアンとともに社会学系学術誌に虚偽の論文を投稿し、その一部が受理・掲載された。社会正義にまつわる研究の杜撰さ、イデオロギー性を浮き彫りにしたこの出来事は「不満スタディーズ事件」あるいは「第二のソーカル事件」と呼ばれ、ニューヨーク・タイムズ紙の一面で報じられるなど全米に論争を巻き起こしている

リンゼイ,ジェームズ[リンゼイ,ジェームズ] [Lindsay,James]
数学者、文化評論家。ウェブサイト「New Discourses」の創設者。テネシー大学で数学の博士号を取得。ウォールストリート・ジャーナル紙、ロサンゼルス・タイムズ紙、サイエンティフィック・アメリカン誌などに寄稿する

山形浩生[ヤマガタヒロオ]
翻訳家、評論家。1964年生まれ。東京大学大学院工学系研究科都市工学科およびマサチューセッツ工科大学大学院修士課程修了。大手シンクタンクに勤務するかたわら、幅広い分野で執筆、翻訳を行なう

森本正史[モリモトマサフミ]
翻訳家。1967年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

142
今まで腑に落ちなかった数々の事象が、本書で腑に落ちた。ちょっと変わった哲学や芸術のムーブメントだったポストモダン思想は最近突然変異を起こして危険な「社会正義」アクティビズムに変貌した。彼らはキリスト像を小便漬けにして飾るだけでは我慢できなくなった。男女格差、民族差別など差別の撤廃が法的には完成してしまった後、運動家は社会構造の変化を求める代わりに弱い立場への嫌悪と攻撃を始めるようになった。表向きの旗印に「差別の是正」をうたいながら弱者を攻撃をする。彼らの思想背景は何か、徹底的に分析した。2023/04/23

HANA

68
前世紀半ばに猖獗を極めたポストモダン。もう既に滅びたと思っていたが、奇妙な変化を遂げて社会運動の中に生き残っていた事を明らかにした一冊。ポストコロニアル、クィア、人種にフェニミズムを例に出し、それぞれの思想にポストモダンがどのように影響を及ぼしたかが説かれている。欧米のケースが主となっているが、ここ近年の日本の社会運動でも影響を受けてそうなのが思い当たるなあ。それにしてもマルキシズムは全ての問題が階級にあるとし、ポストモダンは権力と言葉にあるとする。社会運動って世界を単純化する思想と相性がいいのかしら。2023/03/13

ふみあき

41
帯には反ポリコレを思わせるキャッチャーな文言が踊ってるけど、1960年代が起源のポストモダニズムが、応用ポモ、物象化ポモと進化(?)していく課程を丁寧に腑分けした学術的な内容。ただポストコロニアルもクィアも批判的人種理論も、ポモから生まれた姉妹なんで、似たような論点の批判の繰り返しで、興味深くも途中で飽きてくる。第9章以降はジャーナリスティックな話になってきて、読書スピードは加速するが。この手の本は複数あるが、目新しかったのは障害学とファット・スタディーズ。常人にはカルトとしか思えない異常な主張の展覧会。2022/12/04

Aster

33
まぁ理解しておくべきことですよねやはり。2023/10/13

Mc6ρ助

21
ポリティカル・コレクティブネスが不評だったり、フェイク・ニュースやオルタナティブ・ファクトが横行する理由が良く分からず、リベラルがアベトモやトランプ信者に抗しきれないらしいことに苛立ちを覚える爺さま、遅まきながらポストモダンの本質からポリコレの現状までを丁寧にまとめてくれた本書でいろいろなことに得心がいった(本文を読んで理解するのに苦労し実は最後の訳者解説でようやく理解できたことは本筋ではない)。何のことはないポストモダンなんかに惑わされず現実を踏まえて生きていこうとなのだろう。なんと難しいことよ。2023/03/23

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