出版社内容情報
執筆者一覧
所属は1996年10月時点。( )は2000年12月現在。
寺岡 宏 塩野義製薬(株) 診断医学部 部長
高橋豊三 横浜市立大学 医学部 細菌学教室 助教授(現・同)
小路武彦 長崎大学 医学部 解剖学第三講座 助教授(現・教授)
中根一穂 長崎大学 医学部 教授
高瀬浩造 東京医科歯科大学 医学部 小児科 講師
(現・大学院医歯総合研究開発学 教授)
森野代三 藤沢薬品工業(株) 医療関連事業部 営業部 課長(現・同)
塩川英秋 藤沢薬品工業(株) 医療関連事業部(現・同)
高木 康 昭和大学 医学部 臨床病理學教室(現・助教授)
五味邦英 昭和大学 医学部 教授
前田昌子 昭和大学 薬学部 教授(現・同)
喜納兼勇 (株)同仁化学研究所 部長(現・機能材料研究所 代表取締役)
相阪和夫 協和発酵工業(株) 東京研究所 主任研究員
手嶋眞一 東洋紡績(株) 生化学事業部 主席部長
山本和巳 東洋紡績(株) 敦賀研究所
(現・敦賀バイオ工場 製造部生産管理課 生産管理課長)
西矢芳昭 東洋紡績(株) 敦賀研究所
谷田以誠 東熱(株) 新事業開発部 診断薬事業室
(現・順天堂大学生化学第1講座 助手)
伊藤機一 神奈川県立衛生短期大学 衛生技術科 教授
(現・神奈川県立衛生短期大学 学長)
岡田 淳 関東逓信病院 臨床検査科 部長
高倍正典 日本ビオメリュー・バイテック(株) 部長
山本重夫 (株)ビーアールディー 代表取締役社長
門井 勉 コロナ電気(株) 技術部長
平手晴彦 日製産業(株) 科学システム輸入部
野口義夫 佐賀大学 理工学部 電子工学科 教授(現・電気電子工学部 教授)
林 邦彦 日本ロシュ(株) 試薬本部 PCR開発課 係長
(現・ロシュ・ダイアグノスティックス(株)PCRビジネス本部PCRテクニカルセンター
村上純子 日本大学 医学部 臨床病理学教室 講師(現・同)
河野均也 日本大学 医学部 臨床病理学教室 教授
佐野雅樹 ベーリンガー・マンハイム(株) 診断薬事業部 マーケティングサポート部
青柳克巳 東燃(株) 新事業開発部 診断薬事業室 チームリーダー
(現・(株)先端生命科学研究所 研究開発部門 主任研究員)
田中 昭 ファルマシア(株) 診断薬事業部 開発部
(現・ファルマシア・アップジョン(株) 診断薬事業部 開発部 学術担当)
猪狩 淳 順天堂大学 医学部 臨床病理学教室 教授(現・同)
綿引正則 (株)ニッポンジーン 研究開発部(現・(株)ニッポンジーンテク 代表取締役)
一色賢司 農林水産省 食品総合研究所 微生物制御研究室 室長
浅野正博 農林水産省 食品総合研究所 健全性評価研究室 研究員
高見 博 帝京大学 医学部 第一外科(現・第一外科学教室 教授)
山本司志郎 キング醸造(株) 中央研究所 所長
牛山正志 (株)チッソ 横浜研究所 主任研究員
構成および内容
【Ⅰ バイオ・臨床検査技術の進歩 編】
第1章 DNA診断技術とその応用 寺岡宏
1 はじめに
2 DNA診断とは
3 DNA診断技術の進歩
4 DNA診断技術の応用
4.1 医療への応用
4.2 考古学,人類学への応用
4.3 動物社会学研究への応用
4.4 性別鑑定への応用
4.5 食品鑑定への応用
4.6 その他の応用
5 おわりに
第2章 DNAプローブ法-最新の進歩- 高橋豐三
1 はじめに
2 合成プローブ
2.1 保護基の開発
2.2 分枝オリゴヌクレオチド
2.3 修飾オリゴヌクレオチド
3 おわりに
第3章 In Situ Hybridization技術-技術の要点と最近の進歩- 小路武彦,中根一穂
1 ISHの歴史的背景
2 ISHに関する最近の動向
2.1 プローブ核酸に関して
2.2 標識物質に関して
3 ISHの実際
3.1 組織標本の作製
3.2 前処理
3.3 ハイブリダイゼーションと洗浄
3.4 免疫組織化学
3.5 対照実験
4 他の組織細胞化学的手法との併用
5 応用例と将来への展望
第4章 フローサイトメトリーの技術とその進歩 高瀬浩造
1 はじめに
2 細胞分析機能として最近の発展
2.1 マルチカラーの一般化
2.2 FCM定量化の方向
2.3 パラメーター,信号処理
3 細胞分取機能として
3.1 FCMにおける細胞分取の特徴
3.2 医療への細胞分取の応用
3.3 細胞分析と細胞分取の兼用
4 分析の具体的な方法論
4.1 アポプトーシス関連
4.2 増殖関連抗原と細胞回転
4.3 末梢血幹細胞
5 具体的な機器の性能と機器の選択
第5章 フローサイトメトリー用蛍光体とその進歩 森野代三,塩川英秋
1 はじめに
2 ECM用蛍光色素の最近の動向
(1) FITC(Fluorescein)
(2) R-phycoerythrin(R-PE)
(3) Cy-Chrome
(4) Allophycocyanin(APC)
(5) Pi(propidium iodide)
(6) その他
3 マルチカラー(3カラー)解析の方法
(1) 検体の前処理
(2) 刺激培養
(3) 抗体染色
4 蛍光体Spectrum Greenによる染色体染色とFCM
(1) 細胞の固定
(2) Pepsin処理
(3) DNA変性
(4) Hybridization
(5) 洗浄
(6) 測定
5 おわりに
第6章 生化学検査試薬の液状化-技術的背景- 高木康,五味邦英
1 液状試薬
2 液状化の問題点とその解決
3 液状試薬の性能
4 液状試薬の歴史と現状
5 液状試薬の問題点
第7章 化学・生物発光測定法-原理と検査への応用- 前田昌子
1 はじめに
2 化学発光検出イムノアッセイ
2.1 イムノアッセイに用いられている化学発光反応
2.2 化学発光イムノアッセイ(CLIA)
2.3 化学発光酵素イムノアッセイ(CLEIA)
3 生物発光検出イムノアッセイ
3.1 ホタルのルシフェラーゼを用いる酵素活性の測定とイムノアッセイへの応用
3.2 その他の生物発光を利用した方法
4 おわりに
第8章 蛍光プローブと細胞内環境の測定 喜納兼勇
1 蛍光現状と蛍光プローブ
2 Ca2+蛍光プローブ
2.1 Ca2+選択的キレーター
2.2 二波長励起蛍光プローブ
3 亜鉛の蛍光プローブ
4 塩化物イオンの蛍光プローブ
5 PH測定用蛍光プローブ
第9章 検査薬に利用する酵素の進歩 相阪和夫
1 酵素法の始まりと進展
(1) 多様性
(2) 生産性
2 微生物の新しい代謝経路の検索
2.1 新しいクレアチニンの代謝酵素
2.2 新しい尿素の代謝酵素
2.3 新しいコレステロールの酸化酵素
3 新しい微生物源の利用
3.1 中程度好熱菌の酵素の利用
3.2 超好熱菌の酵素の利用
4 遺伝子組み換え技術の応用
(1) 酵素の生産性に関するもの
(2) 酵素の性質に関するもの
4.1 生産性の改善とコファクター・エンジニアリング
4.2 酵素の安定性の改善
第10章 臨床検査用遺伝子組み換え酵素 手嶋眞一,山本和巳,西矢芳昭
1 はじめに
2 耐熱性組み換えウリカーゼ
2.1 遺伝子組み換えウリカーゼの生産
2.2 遺伝子組み換えウリカーゼの特性
3 ウレアアミドリアーゼの生産性向上
3.1 ウレアアミドリアーゼの遺伝子のクローニング
3.2 ウレアアミドリアーゼ遺伝子のDNA配列およびアミノ酸配列
3.3 ウレアアミドリアーゼの発現
4 変異型サルコシンオキシダーゼ
4.1 サルコシンオキシダーゼ遺伝子のクローニング
4.2 サルコシンオキシダーゼ遺伝子のSitedirected mutagenesis
4.3 改変サルコシンオキシダーゼの特性
5 おわりに
【Ⅱ バイオ・臨床検査装置 編】
第11章 遺伝子組み換え抗原とその免疫測定への応用 谷田以誠
1 はじめに
2 抗体検出系への応用
3 遺伝子組み換え抗原の生産
4 遺伝子組み換えを用いた融合蛋白質の応用
5 遺伝子組み換え抗原の実例-ヒトC型肝炎ウイスル抗原の生産
6 おわりに
第12章 尿試験紙法機器・尿沈渣検査機器と進歩 伊藤機一
1 はじめに
2 日常尿検査の自動化の歩み
2.1 日常尿検査の自動化が遅れた理由
2.2 1995年は尿検査自動化躍進の年
3 尿試験紙法の自動分析
3.1 反射率測定
3.2 試験紙法機器判定の長所・短所
4 尿沈渣(尿中有形成分)の自動測定
4.1 全自動尿中有形成分分析装置UF-100
4.2 尿中粒子自動分析装置日立6700形
5 尿検査の将来
5.1 完全自動分析
5.2 在宅検査
5.3 新鮮尿による検査
6 おわりに
第13章 細菌検査装置とその進歩 高倍正典,岡田淳
1 はじめに
2 細菌検査装置開発への過程
3 細菌検査装置の自動化
4 自動化装置の一例
5 Vitek自動化検査装置の機能性
6 周辺環境の変化
第14章 イムノアッセイ装置の現状と今後 山本重夫
1 臨床検査法の技術
(1) 特異的反応物質
(2) イムノアッセイ
(3) 抗原,抗体
(4) 反応機構
(5) B/F分離の手段
(6) B/F分離をしない測定法
(7) 検出系
2 イムノアッセイ測定装置の現状
(1) イムノアッセイ装置の現状
(2) イムノアッセイ装置の測定法による分類
(3) オープンシステム
3 臨床検査のシステム化と免疫測定装置
(1) 検査室のシステム化の流れ
(2) 免疫測定システム(装置・検査薬)とその対象分野
(3) 免疫測定と核酸プローブ(核酸ハイブリダイゼーション)法
4 免疫測定システムの現状
第15章 マイクロプレートリーダーの現状と今後 門井勉,山本重夫
1 MPRの現状
2 MPRの用途
3 蛍光プローブの発達,発光測定の一般化,発光測定の普及-細胞測定のニーズ
4 MPRの今後
第16章 バイオ機器の最近の動向 平手晴彦,山本重夫
1 機能解析-相互作用解析
1.1 エバネッセント波を用いる相互作用解析
1.2 反射光千渉方式
1.3 その他の相互作用解析へのアプローチ
2 ライブラリーの構築
2.1 リソグラフィー技術
2.2 マルチペプチド合成技術
3 細胞機能解析
4 細胞構造解析
5 おわりに
第17章 レゾナントミラー方式を用いる生体成分の相互作用解析装置 青柳雅昭,中川太門,山本重夫
1 はじめに
2 エバネッセント波
3 IAsysの測定原理
4 IAsysの装置
5 反応用キュベット
6 固相化
(1) 固相化の化学
(2) 固相化の方法
7 用途
8 反応解析
8.1 解析の対象
9 カイネティクス
10 定量分析
11 エピトープマッピング
12 巨大分子,細胞との相互作用
13 キュベットの再生
14 おわりに
【Ⅲ 臨床検査応用 編】
〈技術〉
第18章 PCR法を利用したDNA診断法-非放射性PCR-SSCP法- 高橋豊三
1 はじめに
2 PCR法の応用技術
2.1 Anchored PCR法
2.2 Inverted PCR法
2.3 RT-PCR法
2.4 Asymmetric PCR法
2.5 Nested PCR法
3 PCR法による増幅産物の解析方法
3.1 ドット・ブロット・ハイブリダイゼーション法
3.2 表面プラズモン共鳴法
3.3 PCR-RFLP法
3.4 In situ PCR法
3.5 In situ RT-PCR法
3.6 PCR-SSO法
3.7 PCR-SSP法
3.8 PCR-直接シークエンス法
3.9 AMPFLP法
3.10 MVR-PCR
4 PCR-SSCP法
4.1PCR-SSCP法の原理
4.2非放射性標識PCR-SSCP法の利点と問題点
4.3臨床検査室への導入の可能性
4.4自動化
5 おわりに
第19章 染色体ソーティングとDNA診断 野口義夫
1 はじめに
2 DNA診断とは
3 DNA診断の原理
4 DNA診断の手順
5 DNAプローブの見つけ方
6 DNA断片長の多型性
7 染色体ソーティングとDNAライブラリー
8 染色体ソータ
9 FISHを使用したDNA診断
10 おわりに
第20章 PCRを利用する臨床検査法について 林邦彦
1 はじめに
2 遺伝子診断の有用性
3 PCR法とは?
4 PCR法の有用性
5 PCR法におる検査
6 PCR法を日常検査に用いる上での問題点
7 PCR法を応用した診断薬
8 PCRの将来像
9 おわりに
〈臨床応用〉
第21章 急性心筋梗塞の生化学的マーカー 村上純子,河野均也
1 はじめに
2 CK-アイソザイムとそのサブフォーム
2.1 CK-MB
2.2 CK-MBサブフォーム
2.3 CK-MMサブフォーム
3 AST(GOT)アイソザイム
4 ミオグロビン
5 ミオシン軽鎖
6 トロポニンT
7 どんな時にどの指標を用いればよいか
第22章 腫瘍マーカーの最新動向 高見博
1 はじめに
2 腫瘍マーカーの歴史的背景
3 腫瘍マーカーの臨床的意義
4 主な腫瘍マーカーの特徴と問題点
4.1 胎児性蛋白
4.2 糖鎖抗原
5 癌遺伝子と遺伝子産物
6 おわりに
第23章 肺癌マーフーシフラの測定法と応用 佐野雅樹
1 はじめに
2 試薬の開発
3 シフラの性状
4 測定原理
5 基準値
6 カットオフ値の設定
7 stage別のシフラの陽性率
8 治療経過観察時のシフラの有用性
9 肺癌マーカーのコンビネーションアッセイ
10 おわりに
第24章 新規腫瘍マーカーProGPRの開発と臨床的意義 青柳克己
1 はじめに
2 肺小細胞癌とその診断方法
3 CRPとは
4 腫瘍マーカーとしてのProGRPの開発
5 測定試薬について
6 臨床的有用性
(1) 健常人分布
(2) ROC曲線による解析
(3) 肺疾患における陽性率
(4) 肺小細胞癌の各病期との関連
(5) 肺以外の疾患における陽性率
(6) NSEとの相関
(7) 他のマーカーとのコンビネーションアッセイ
(8) 肺小細胞癌の治療効果との相関
(9) 肺小細胞癌再発のモニターとしての利用
7 おわりに
第25章 アレルギー検査薬の最新動向 田中昭
1 はじめの
2 アレルギー疾患の発症機序
3 アレルギー疾患の治療
4 アレルギー反応の指標
4.1 IgE抗体の検出
4.2 IgE抗体の測定
4.3 炎症細胞の指標
5 おわりに
第26章 ヘリコバクター・ピロリ検査薬 猪狩淳
1 はじめに
2 H.pyloriの細菌学
3 H.pylori感染診断法
3.1 侵襲的方法
3.2 非侵襲的方法
4 おわりに
【Ⅳ 食品検査応用 編】
第27章 食品の遺伝子検査 綿引正則
1 はじめに
2 遺伝子解析に必要な対象技術
(1) ハイブリダイゼーション
(2) PCR
(3) パルスフィールド電気泳動
3 遺伝子検査の現状
3.1 病原微生物の検査
3.2 食材種の同定
4 技術的な問題点および注意点
5 おわりに
第28章 毒味システムを用いた食品試験法 一色賢司,浅野正博,山庄司志朗
1 われわれは,何を食べているか
2 食品の健全性とは
3 毒味について
4 新しい細胞毒性試験方法
5 毒味システムへの展開
6 おわりに
第29章 食品の検査方法の進歩 牛山正志
1 はじめに
2 検査キットの原理
2.1 イムノアッセイ
2.2 DNAプローブ法
2.3 酵素反応
3 キットを用いた食品検査
3.1 農薬検出キットの前処理方法
3.2 生ピーナッツなどからのアフラトキシンの検出
3.3 食肉・卵・魚からのサルファ剤の検出
4 おわりに
第30章 食品検査キット 牛山正志
1 はじめに
2 微生物検査キット
3 トキシン類
4 農薬・環境汚染物質
5 抗菌性物質・薬剤
6 その他
7 おわりに
内容説明
本書は、バイオテクノロジーを背景とした臨床検査や食品検査を対象として、これを「技術の進歩」、「装置」、「臨床検査への応用」、「食品検査への応用」に分けて、それぞれの諸先生にお願いして執筆していただき、これを編集したものである。
目次
1 バイオ・臨床検査技術の進歩編(DNA診断技術とその応用;DNAプローブ法―最近の進歩 ほか)
2 バイオ・臨床検査装置編(遺伝子組み換え抗原とその免疫測定への応用;尿試験紙法機器・尿沈渣検査機器と進歩 ほか)
3 臨床検査応用編(技術(PCR法を利用したDNA診断法―非放射性PCR-SSCP法;染色体ソーティングとDNA診断 ほか)
臨床応用(急性心筋梗塞の生化学的マーカー;腫瘍マーカーの最新動向 ほか)
4 食品検査応用編(食品の遺伝子検査;毒味システムを用いた食品検査法
著者等紹介
山本重夫[ヤマモトシゲオ]
(株)ピーアールディー代表取締役社長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。