出版社内容情報
刊行のねらい
自動車および住宅用PEFCの話題が毎日新聞を賑わしているが、この本はそのキーパーツであるイオン交換膜を中心的に取り上げ、各著者が独自の思想を述べたものである。
第1章ではPEFCに関するイントロダクション、第2章ではパーフロロ系を中心としたフッ素化膜、第3章ではトリフロロスチレン系膜、第4章では炭化水素系膜、第5章では使用側から見た膜という観点から、Ballard社とDeNora社のPEFCについての比較が述べられている。
現在膜についてはいわば「百家争鳴時代」であるので、著者間の調整は敢えて行わず各自思うところを存分に書いて頂いた。従って、本書は読者の思考の材料を提供しているだけであり、これをどう読み解くかは読者の判断に委ねられている。
膜に関する現在の混沌とした状況は、やがて実現される性能面および価格面でのブレークスルーを準備する段階のように思われる。そもそもイオン交換膜技術は、食塩製造や食塩電解プロセスに見るように日本が世界のトップを走っており、燃料電池の分野でも主導的な活躍が期待されている。各分野の技術者の果敢な挑戦で技術の壁が破られ、PEFCが実用化されて、21世紀のエネルギー問題や環境問題の解決に貢献することを強く望むものである。本書がその過程で、暗闇を照らす一筋の明かりとなれば幸いである。(「はしがき」より)
執筆者一覧(執筆順)
光田憲朗 三菱電機(株) 先端技術総合研究所 エネルギー変換技術部 燃焼・界面グループ グループマネージャー
木本協司 (有)ミレーヌコーポレーション ソフト企画開発
富家和男 クロリンエンジニアズ(株) 参与 (元・取締役研究開発部長)
陸川政弘 上智大学 理工学部 化学科 助教授
島宗孝之 島宗技術士事務所
構成および内容
第1章 自動車用PEFCの課題と膜技術 光田憲朗
1 自動車用PEFCの膜技術の概要と課題
1.1 PEFCの動作原理
1.2 固体高分子電解質膜の概要と役割
1.3 PEFCの加湿での膜技術
1.4 自動車用PEFCの膜技術の課題
2 ユーザー側からの膜の評価と課題
2.1 ホットプレス時の圧力・温度の影響
2.2 クラスター径のX線回折による評価
2.3 膜の溶媒による膨潤
2.4 陽イオンのコンタミ
2.5 メタノール直接型での膜技術
3 ユーザー側からの膜の将来展望
第2章 パーフロロ系隔膜の開発と課題 木本協司
1 はじめに
2 イオン交換膜開発の歴史
3 PEFC開発の歴史
3.1 GE時代
3.2 Ballard時代
3.3 百家争鳴時代
4 膜開発上の諸問題
4.1 化学耐性
4.2 環化問題
4.3 使用可能温度
4.4 価格問題
5 開発動向
5.1 パーフロロスルホン酸膜
5.2 延伸多孔質PTFE含浸膜(GORE-SELECT膜)
5.3 トリフロロスチレン系膜
5.4 パーフロロホスホン酸膜
5.5 パーフロロスルホニルイミド膜
6 パーフロロ陽イオン交換膜の理論
6.1 Q,eスキームの問題点
6.2 含水平衡
7 おわりに
第3章 部分フッ素化隔膜の開発と課題 富家和男
1 まえがき
2 水素イオン伝導膜
3 部分フッ素化隔膜
3.1 グラフト重合膜
3.2 炭化水素グラフト重合膜
3.3 部分フッ素化グラフト重合膜
(1) 膜の合成
(2) 膜の特性
4 水電解への適用
4.1 水電解セル
4.2 水電解特性
5 燃料電池への適用
5.1 Membrane C
5.2 膜と電極の一体化(M&E)
5.3 発電効率,容積,重量効率
5.4 コスト試算
6 あとがき
第4章 炭化水素系高分子電解質膜の開発動向 陸川政弘
1 はじめに
2 高分子電解質型燃料電池と高分子電解質膜の課題
3 第2世代を考えた高分子電解質膜
4 炭化水素系高分子電解質膜の研究経緯
5 炭化水素系高分子電解質膜の利点
6 炭化水素系高分子電解質膜の開発動向
7 極性基を有する炭化水素系高分子電解質膜
7.1 材料合成
7.2 耐熱性
7.3 プロトン伝導性
7.4 燃料電池への応用
8 酸塩基型炭化水素系高分子電解質
8.1 材料合成
8.2 耐熱性
8.3 プロトン伝導性
8.4 燃料電池への応用
9 炭化水素系高分子電解質膜の展望
第5章 燃料電池技術への応用 島宗孝之
1 はじめに
2 PEMFC陽イオン交換膜について
3 車載用と据え置き型燃料電池
4 Ballard社Fuel Cell
4.1 電池構造
5 DENORA社Fuel Cellの特徴
5.1 電池構造
6 燃料電池プロセスの応用
6.1 クロルアルカリ電解
6.2 芒硝電解プロセス
6.3 塩酸電解
6.4 その他
① 電気メッキ
② 金属採取
③ その他
7 まとめ
-
- 電子書籍
- Love Jossie 月光浪漫~異世…



