高分子材料の長寿命化と環境対策

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  • サイズ A5判/ページ数 318p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784882310815
  • NDC分類 578
  • Cコード C3043

出版社内容情報

   執筆者一覧
   (所属は1990年5月時点。カッコ内は2000年7月現在)

大澤善次郎 群馬大学 工学部 材料工学科 (現・名誉教授)
川本圭司  三井石油化学工業(株) エンプラ開発室 (現・(株)三井化学分析センター  材料物性研究部)
酒井英紀  三井石油化学工業(株) 分析物性研究所
古木正昭  精工化学(株) 開発研究部 第2部  (現・研究所長)
上出健二  旭化成工業(株) 繊維基礎研究所
斉藤政利  旭化成工業(株) 繊維基礎研究所 (現・研究開発本部)
門屋 卓   神奈川大学 理学部 応用生物科学科 (現・総合理学研究所)
岩野治彦  富士写真フィルム(株) 足柄研究所
竹島鋭機  日新製鋼(株) 新材料研究所 (現・技術研究所 塗装・複合材料研究部)
鈴木洋正  群馬女子短期大学 生活学科
吉川和美  アデカ・アーガス化学(株) 開発研究所
高橋雅之  アデカ・アーガス化学(株) 開発研究所
井手 正   富士重工業(株) 技術本部 技術管理部
反町正美   日立電線(株) 電線研究所 第4部
冨板 崇   (財)先端建築技術センター  (現・Weathering Workshop)
八児真一   住友化学工業(株) 大阪研究所  (現・共同薬品(株) 世田谷研究所)
飯島林蔵  (社)プラスチック処理促進協会 技術開発部  (現・プラスチックリサイクル技術研究所)
黒木 健   理化学材料設計研究所
西山昌史   工業技術院四国工業技術試験所 材料物性研究所


   構成および内容

第1章 序論                   大澤善次郎
1 歴史的流れ
2 最近の研究動向
 2.1 不純物・異種構造の影響
 2.2 製法・加工法の進歩
 2.3 安定剤の性能向上
 2.4 ポリマーブレンド
 2.5 エンジニアリングプラスチック
 2.6 その他
3 劣化および安定化の概要
 3.1 劣化の要因と症状
 3.2 分子鎖の変化
 3.3 分子集合状態の変化
 3.4 劣化を防ぐには

第2章 プラスチックの劣化と安定化    川本圭司、酒井英紀
1 はじめに
2 汎用プラスチックの酸化劣化
3 汎用プラスチックの安定化
 3.1 プラスチックの安定剤
  3.1.1  連鎖開始防止剤
  3.1.2  ラジカル連鎖禁止剤
  3.1.3  過酸化物分解剤
 3.2 汎用プラスチックの安定化方法
  3.2.1 ポリオレフィン系樹脂の安定化
  3.2.2 ポリスチレン系樹脂の安定化
4 実用上の問題点
5 今後の課題

第3章 ゴムの劣化と安定化         古木正昭
1 はじめに
2 劣化とその機構
 2.1 主鎖の劣化
 2.2 架橋点の劣化
 2.3 自動酸化促進物質(プロオキシダント)
 2.4 機械的作用(屈曲疲労)
 2.5 オゾン劣化とその機構
3 ゴムの安定化
 3.1 未加硫天然ゴムの安定化
 3.2 未加硫合成ゴムの安定化
 3.3 加硫ゴムの安定化
  3.3.1  加硫方法および配合剤による安定化
  3.3.2  非汚染性老化防止剤による安定化
  3.3.3  汚染性老化防止剤による安定化
  3.3.4  オゾンに対する安定化
  3.3.5  ポリマーブレンドによる安定化・他

第4章 繊維の構造と劣化、安定化    上出健二、斉藤政利
1 はじめに
2 繊維の構造
 2.1 高次構造
 2.2 微細構造
3 繊維の劣化と安定化
 3.1 光、熱による劣化
 3.2 化学薬品による分解
  3.2.1  NOx
  3.2.2  アルカリ
  3.2.3  微生物
  3.2.4  自然状態
4 おわりに

第5章 紙・パルプの劣化と安定化         門屋 卓
1 はじめに
2 紙の変質に影響する因子
3 紙の劣化評価方法
4 紙の劣化に関する代表的データ
5 酸性紙と中性紙
6 洋紙と和紙の相違
7 木材の品種、パルプ化法による違い
8 光による紙の変質
9 紙の劣化防止について
10 おわりに

第6章 写真材料の劣化と安定化          岩野治彦
1 はじめに
2 写真の劣化のタイプと原因
3 程度劣化と絶対劣化
4 写真材料と劣化
 4.1 支持体
 4.2 バインダー
 4.3 銀画像粒子
 4.4 カラー画像
5 写真の寿命の予測
6 写真の安定化
 6.1 銀画像の安定化
 6.2 色素画像の安定化
  6.2.1  カプラーの工夫
  6.2.2  紫外線吸収剤
  6.2.3  酸化防止剤
  6.2.4  蛍光増白剤
7 おわりに

第7章 塗膜の劣化と安定化               竹島鋭機
1 はじめに
2 研究へのアプローチ
3 塗膜のはく離現象
4 ケイ光X線分析による塩化ビニル樹脂の脱塩化水素量の測定
5 ClKa /Tika保持率と塗膜はく離との関係
6 塩化ビニル樹脂塗装鋼板の耐はく離寿命の予測
7 おわりに

第8章 染料の退色                     鈴木洋正
1 染料
2 染料の光化学
3 光退色反応
 3.1 光異性化
 3.2 光酸化
  3.2.1  アゾ系染料
  3.2.2  アントラキノン系染料
  3.2.3  インジゴ
  3.2.4  スチルベン系染料
 3.3 光還元
 3.4 光二量化と閉環
4 光退色反応と物理的状態
5 光退色の抑制
6 ガス退色
7 ガス退色防止

第9章 エンジニアリングプラスチックの劣化と安定化    吉川和美、高橋雅之
1 はじめに
2 エンプラの劣化と安定化
 2.1 ポリアミド(PA)
  2.1.1  劣化
  2.1.2  安定化
 2.2 ポリアセタール(POM)
  2.2.1  劣化
  2.2.2  安定化
 2.3 飽和ポリエステル
  2.3.1  劣化
  2.3.2  安定化
 2.4 ポリカーボネート(PC)
  2.4.1  劣化
  2.4.2  安定化
 2.5 変性ポリフェニレンオキサイド
  2.5.1  劣化
  2.5.2  安定化
 2.6 ポリマーアロイ
  2.6.1  劣化
  2.6.2  安定化
3 エンプラ用添加剤の今後の展望
 3.1 既存添加剤の可能性と限界
  3.1.1  フェノール系酸化防止剤
  3.1.2  チオエーテル系酸化防止剤
  3.1.3  ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)
  3.1.4  リン系酸化防止剤
 3.2 樹脂の劣化現象と安定化の可能性
  3.2.1  成型加工時の劣化と安定化
  3.2.2  使用時の劣化と安定化
4 おわりに

第10章  複合材料の劣化と安定化              井手 正
1 複合材料の概要
 1.1 主な強化繊維
  1.1.1  ガラス繊維
  1.1.2  炭素繊維
  1.1.3  アラミッド繊維
  1.1.4  新複合強化繊維
 1.2 マトリックス樹脂 
  1.2.1  不飽和ポリエステル樹脂
  1.2.2  エポキシ樹脂
  1.2.3  ビニルエステル系樹脂
  1.2.4  ポリプロピレン
  1.2.5  ポリアミド
  1.2.6  ポリイミド
 1.3 複合化技術
  1.3.1  FRPの成形
  1.3.2  ACMの成形
 1.4 FRPの特性と用途
 1.5 ACMの特性
2 FRPの劣化と安定化
3 ACMの劣化と安定性
 3.1 加工工程での劣化
 3.2 使用環境下での劣化
 3.3 宇宙環境下での劣化

第11章  機能性複合材料の機能の発現と安定性    大澤善次郎
1 機能材料
2 機能性複合材料
3 機能の発現と安定性
4 電磁波シールド材料
 4.1 背景
 4.2 シールド機能の発現
  4.2.1  一般論
  4.2.2  電磁波のシールド効果
  4.2.3  フィラーの形状と複合材料の導電性
  4.2.4  各種導電性繊維
 4.3 金属繊維系複合材料
  4.3.1  金属繊維の影響
  4.3.2  マトリックス樹脂の影響
  4.3.3  機能低下の原因
5 プラスチック磁石
 5.1 背景
 5.2 磁気特性の発現
  5.2.1  磁粉濃度と残留磁束密度の関係
  5.2.2  磁粉濃度と配向度の関係
 5.3 磁気特性の熱安定性
6 結露センサー
 6.1 原理
 6.2 構造
 6.3 特性
  6.3.1  感湿特性
  6.3.2  ヒステリシス(脱湿速度)
  6.3.3  応答性(吸湿速度)
 6.4 機能の安定性

第12章  電気絶縁材料の劣化と安定化    反町正美
1 はじめに
2 高分子絶縁材料の劣化
3 CVケーブルの劣化
 3.1 はじめに
 3.2 CVケーブルの劣化
 3.3 水トリー劣化
  3.3.1  水トリーの種類
  3.3.2  水トリー発生とケーブル性能
  3.3.3  水トリーの抑止
4 高分子絶縁材料の放射線劣化と安定化
 4.1 はじめに
 4.2 高分子材料の放射線反応と劣化
 4.3 高分子材料の放射線安定化 
5 高分子絶縁材料の熱的性質
 5.1 高分子絵絶縁材料の許容温度
 5.2 高分子絶縁材料の温度上限値

第13章  高分子系建築材料の劣化    冨板 崇
1 はじめに
2 耐久性予測モデル
 2.1 経時的な特性変化のパターン
 2.2 耐久性予測モデル
  2.2.1  単独劣化因子に注目
  2.2.2  時間の関数として解析
  2.2.3  アレニウス式を導入
  2.2.4  独立した複数劣化因子による作用の和
  2.2.5  ある劣化因子の作用に、熱による促進効果を考慮
  2.2.6  紫外線と熱の相乗効果に、熱のみによる劣化を別々の項で表現
3 パソコンによる寿命予測システム
 3.1 寿命予測システムの概要
 3.2 人工促進劣化試験の解析
 3.3 劣化シミュレーション
 3.4 パソコン用のソフトウェア
4 高分子系建築材料の耐久性研究に関わる諸問題
 4.1 屋外暴露試験
 4.2 人工促進劣化試験
 4.3 試料の調製
 4.4 欠陥の実態のフィードバック
 4.5 メーカーとユーザーの間の情報不足
5 おわりに

第14章  新しい安定剤の開発動向        八児真一
1 はじめに
2 劣化と安定化の基礎
 2.1 概説
 2.2 酸化防止剤
  2.2.1  一次酸化防止剤
  2.2.2  二次酸化防止剤
 2.3 光安定剤
  2.3.1  紫外線吸収剤
  2.3.2  クエンチャー
  2.3.3  HALS
3 安定剤の開発動向
 3.1 安定剤の特許調査
 3.2 安定剤の化審法調査
 3.3 化審法認可新規酸化防止剤
 3.4 化審法認可新規光安定剤
4 トピックス
 4.1 Sumilizer GA-80/Mark AO-80
  4.1.1  著しい相乗効果
  4.1.2  発現機構
 4.2 Sumilizer GM
  4.2.1  無酸素雰囲気下の熱劣化防止効果
  4.2.2  発現機構
5 おわりに

第15章  地球環境保護と高分子材料
1 背景                             大澤善次郎
 1.1 地球環境の変化
 1.2 廃棄プラスチック問題
2 廃プラスチックの処理技術                飯島林蔵
 2.1 はじめに
 2.2 廃プラスチックの排出と処理の現状
 2.3 処理技術の現状
  2.3.1  焼却処理技術
  2.3.2  再生利用技術
  2.3.3  熱分解技術
  2.3.4  固形燃料化技術
  2.3.5  減容固化技術
 2.4 おわりに
3 高分子の熱分解                       黒木 健
 3.1 はじめに
 3.2 ポリオレフィンの熱分解
  3.2.1  分解反応の現状と問題点
  3.2.2  低温分解反応のための開始反応の役割
 3.3 熱分解と接触分解生成物の比較
  3.3.1  ポリエチレン・ポリプロピレンの分解生成物
  3.3.2  ポリスチレンの分解生成物
 3.4 おわりに
4 光分解性高分子                       大澤善次郎
 4.1 はじめに
 4.2 光分解性高分子の分子設計
 4.3 感光性官能基導入型
  4.3.1  エチレン-一酸化炭素共重合体
  4.3.2  ビニルケトン-ビニルモノマー共重合体
  4.3.3  熱可塑性1、2-ポリブタジエン
  4.3.4  ポリイソブチレンオキシド
 4.4 感光性試薬添加型
  4.4.1  三重項光増感剤添加型
  4.4.2  金属化合物添加系
 4.5 光分解性高分子の現状
 4.6 光分解性高分子の課題
  4.6.1  光分解で何が起こるか
  4.6.2  光分解物に生分解性があるか
  4.6.3  今後の課題
5 生分解性プラスチック                     西山昌史
 5.1 はじめに
 5.2 生分解性プラスチックの開発
  5.2.1  微生物由来の生分解性プラスチック
  5.2.2  天然物由来の生分解性プラスチック
  5.2.3  合成高分子由来の生分解プラスチック
 5.3 生分解性プラスチックをめぐる課題と展望
 5.4 おわりに
              

内容説明

本書は高分子劣化研究の原点である長寿命化について高分子材料を用途別に具体的な例を示し、さらに、廃棄プラスチックにかかわる環境問題について平易に解説している。

目次

プラスチックの劣化と安定化
ゴムの劣化と安定化
繊維の構造と劣化、安定化
紙・パルプの劣化と安定化
写真材料の劣化と安定化
塗膜の劣化と安定化
染料の退色
エンジニアリングプラスチックの劣化と安定化
複合材料の劣化と安定化
機能性複合材料の機能の発現と安定性〔ほか〕

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