出版社内容情報
音楽家リスト門下。ピアノの天才児ヘルマン・コーマンがカルメル会の修道生活に辿り着くまでの波乱の人生を克明に描く。・・・・・収容所の捕虜たちは、自分たちに父のような愛を注いでくれたこの人を”我らの親切なフランス人の神父さん”と呼んで、天然痘の犠牲になって逝った神父の死を悼んだ。しかし大部分の人々は、彼がヨーロッパに名をはせた聖なる説教者、その突然の回心がフランス中にセンセーションを巻き起こした、かつての放蕩児、音楽家ヘルマンであるとは知らなかった。このヘルマン・コーヘンとはどのような人だったのか。(「プロローグ」より) 449頁 (043)