出版社内容情報
「民族自決権」とは? 第一次大戦‐ロシア革命直後、バルトの小国エストニアは、いかにして独立国家となりえたのか。英・米・ソなどの一次資料を駆使し、国際関係史の視座からその独立過程を詳細に検証する。
「エストニア民族は、独立に成功した。なぜ成功したのか? この裏には、民族自決をめぐる理論と実践の逆説的関係が隠されている。もともと民族自決理論は、大国による統制の下で新秩序を確立する意図を持っていた。ウィルソンが大戦後の講和を、レーニンが革命後の世界を胸に抱いて民族自決を主張したのは、単なる偶然の一致ではない。だが、皮肉にも大国による統制が利かなくなった時、理論はあちこちで実践されたのである。理論の立案者たちが全く予想だにしなかった地であるエストニアで、民族自決理論が実践されたこと、まさにここに本書がエストニア独立承認問題を採り上げた意義がある。」(本文より)
内容説明
第一次大戦‐ロシア革命直後、バルトの小国エストニアは、いかにして独立国家となりえたのか。英・米・ソなどの一次資料を駆使し、国際関係史の視座からその独立過程を詳細に検証。激動する国際関係における国家の形成、民族問題を考察する。
目次
序章 民族自決理論とエストニア
第1章 エストニア民族運動の揺籃と二つのロシア革命
第2章 ドイツ占領時代
第3章 エストニアにおける二重権力
第4章 列強諸国対エストニア政府
第5章 パリ講和会議における攻防
第6章 ソヴィエトの外交攻勢
第7章 連合国とエストニアの外交関係、講和後
第8章 連合国による法的承認