出版社内容情報
アイルランドの彩色写本『ケルズの書』などにに象徴されるケルト的想像力の展開!
仮面理論の形成過程にニーチェ的悲劇の概念とケルト的感性を結びつけた想像力を読み、1章において、その根底にあるアイルランドの装飾芸術を手がかりにイェイツの言う〈ビザンティウム〉の謎を解いていく。2章では、仮面劇復興を実証的に追い、G・クレイグや日本の能との関係を再考察し、3章ではニーチェの影響以前に仮面と言う用語を使っていたことを指摘、4章でニーチェとは異なるイェイツ的仮面の特質を述べる。5章では、仮面の思考が作品の中でどう具体的に展開されているかを見、〈存在の統一性〉という通説のイェイツの思考とは対極にあることをケルト的想像力の特徴として説き明かす。6章はイェイツのもっとも重要な仮面であるクフーリンと復活祭蜂起のに関する考察。不屈のアイルランド精神の象徴としてのクフーリン像に見たものは?新しいイェイツ像への招待。
内容説明
アイルランドの彩色写本『ケルズの書』に象徴されるケルト的想像力の展開!新しいイェイツ像への招待。
目次
第1章 仮面のビザンティウム―老人はどこに出帆したのか、『ケルズの書』および古代アイルランド装飾芸術とイェイツの謎
第2章 仮面の実践―仮面劇の復興と能をめぐるイェイツ、クレイグ、伊藤道郎の奇妙な関係
第3章 仮面の理論―ニーチェ哲学の影響と悲劇的な生の認識、死のパラドックス
第4章 仮面の象徴―生と死を凝視する眼、ケルブ的表象
第5章 仮面の思考と仮面の詩法―カメレオンの道、ずれてゆく意味
第6章 仮面の戦略と神話の創造―郵便局に立ったものは何か
著者等紹介
木原謙一[キハラケンイチ]
1962年生まれ。北九州市立大学文学部助教授。英文学、アイルランド文学専攻
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