愛の追跡

愛の追跡

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 315p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784882022077
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

目次

緑のコッツウォールド丘陵地帯の貴族の館に、動乱のスペインに、パリに展開する〈失われた世代〉の青春郡像。維新の駐日英国公使館に在勤した男爵の孫娘による自伝的小説の初訳。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

125
『愛の追跡』と言うから、誰かを追いかけていくのかと思った。何人かの男を愛してみて、自分なりに思うこと、愛を求めていった結果だろうか。主人公が最後に自分の半生、特に夫となったり、惹かれた男たちを振り返って語ることが、示唆深いと思う。こういうタイプの小説を読むと、誰かに出会うとか結ばれることに一喜一憂するタイプの小説(私の中ではオースティンタイプ)より、経験を経て体感していく形の語りが自分の好みなのだと強く感じる。2017/02/21

まふ

108
スペイン内乱および第二次世界大戦時におけるイギリス貴族一家の女性の波乱の一生。作者自身の自伝的な要素が強い。主人公のリンダは本能で生きるような多感な少女で恋愛を夢見て結婚するが夫に失望し別れてコミュニストの青年と結婚するもまた失敗、パリで名だたる女色家(?)に拾われる…。筆致は細かくポイントを衝いた表現で読みやすい。保守的な土地貴族と万事「お金」の近代ブルジョワジーとの対比や、コミュニストたちのクソマジメな動き、スペイン貴族のスペイン内乱時の人民への博愛精神の欠如等々勉強になった。G566/1000。2024/07/17

NAO

75
多感なリンダは、少し心を動かされただけで自分は恋をしていると思い込むが愛が冷めてしまうのだ。愛より家庭を持つことを重視しそれなりに幸せになっている姉とも、自分に見合った相手を見つけた語り手ともあまりにも違っていたリンダ。ようやく、運命の人に逢えたのに、二人に起こった悲劇は悲しすぎる。だが、リンダと「脱走馬」と渾名された語り手の母親とは、本当に違っていたのかどうか。戦争がなかったら、リンダは本当に幸せになれたのか。 一番愛され、一番幸せだったときに死んだリンダは、確かに幸運だったといえるのかもしれない。2021/05/16

Mana

5
新井潤美さんの著書で紹介されてる本は未訳が多いけど調べたらこれだけ翻訳があったので読んでみた。なかなか良かった。細かいストーリーより、当時の上流(地主)階級の価値観や習慣が興味深い小説かな。続編もあるけどそちらは翻訳されていないので残念。一家の歴史みたいな感じで他の人物にクローズアップした話なのかな。2022/09/27

fu-ko

5
やんごとなき読者にこの本のことが書かれていたので読んでみた。恋に憧れる田舎貴族の娘リンダ、社交界にデビューすると直ぐに理想の男性を見付けて婚約してしまう。しかしこの結婚は不幸なものに終わる。ただ一人の男性への愛を貫き通したいというリンダの気持ちとは裏腹に退屈な夫への想いは覚め、新しい男性を求めてしまう。次の夫とも別れとうとうただ一つの愛の対象者に出会うが・・・。イギリス貴族の生活も伺い知れて興味深く読めます。2009/07/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/117292
  • ご注意事項

最近チェックした商品