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出版社内容情報
警視庁警部から一転、強盗殺人囚として裁かれる立場に身を置いた著者が、未決死刑囚の“仙人”との文通、東京拘置所の生活、死刑判決の状況など、死刑される側の眼で監獄社会の日常をリアルに描く。現在の死刑制度を内側から考える本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Jirgambi
1
図書館本。元警視庁警部(尤も退職時に警部補から昇任したという)が死刑囚となる経緯に興味を覚えて読む。 本書は主に死刑囚として過ごす監獄とその心境について述べる。特色ある記述は、先輩死刑囚である関口政安の哲学的な手紙の交流とあとがきだろうか。”生涯”学習で己の心境を整理、当時犯罪を起こした自身の心を相対化を目指している。要するに「死刑囚とはいえ人としての権利は主張するぞ!裁判で闘うぞ!」との主張に尽きる。 残念乍ら事件被害者に対する反省・贖罪の意識は殆ど本書からは読み取れず、別書で述べてあるのかもしれん。2025/09/06
Rumi Mamiya
0
死刑の存廃について、常に中立な立場にいたいと思っているが、正直なところ、やや死刑存置に傾いている。「死刑は君臨せど実施せず」といった立場である。だからこそ死刑反対派や死刑肯定派の‘合理的な’意見には真摯に耳を傾けたいし、傾けてきた。ところが、本書を読んだところなぜか違和感を覚えた。この悶々とした感情はなんであろうか。自分は実のところ「厳罰派」なのではなかろうか…という気持ちさえ生じたのである。作者は2件の強殺で死刑判決をうけた元囚人である。彼の手記のような本書から後悔の念は感じられたが反省や贖罪の気持ちは2013/02/10




