内容説明
脳は、鏡に映った像をいかに自分であると認識するのか。他人の心を読み取る能力は、脳のどこで発揮されるのか。チンパンジーやサルなど他の霊長類との比較検討をふまえ、「私が私である」という自己意識や「私」と「あなた」を弁別するナルシスティックな力が右脳優位で生じることを明らかにする。言語能力と結びついた左脳を重視する通説を覆し、「自己の右脳局在説」で脳科学の常識に挑む衝撃の書。
目次
序章 意識とはなにか
第1章 鏡のなかの顔―意識をいかに測定するか
第2章 己を知るチンパンジー―鏡のテストと類人猿
第3章 自己が芽生えるとき―セルフ・アウェアネスの発達
第4章 あなたが知っていることを私は知っている―心の理論
第5章 右脳は劣位か―脳の構造と機能
第6章 脳はどこで自分を見るのか
第7章 自己を失った脳
第8章 私とあなたが出会うところ
第9章 セルフ・アウェアネスはなぜ存在するのか?―新しい脳のモデルを描く
著者等紹介
キーナン,ジュリアン・ポール[キーナン,ジュリアンポール][Keenan,Julian Paul]
ニュージャージー州立モントクレア大学認知脳機能画像研究室長。神経科学者。ハーヴァード医科大学講師およびリサーチャーを経て現職。現在は脳外傷、統合失調症、自閉症、アスペルガー症候群、その他の脳疾患に起因するセルフ・アウェアネスの障害を研究テーマとしている。『ネイチャー』(2001年)に掲載されたセルフ・アウェアネスに関する研究は、アメリカ国内外の多数の新聞、雑誌、ラジオ、テレビで報道され、大きな反響を呼んだ。ニューヨーク州立大学オールバニー校およびニューパルツ校、ハーヴァード医科大学では後進の指導にあたっている
ギャラップ,ジュニア,ゴードン[ギャラップ,ジュニア,ゴードン][Gallup,Jr.,Gordon]
ニューヨーク州立大学オールバニー校心理学教授、学科長。研究テーマは人間、霊長類、そのほかの動物の進化と行動。ギャラップが考案した画期的な「鏡のテスト」は、セルフ・アウェアネスや意識の研究に新たな方向性をもたせた。ニューヨーク州立大学オールバニー校のほか、チューレーン大学、ワシントン州立大学霊長類研究センターでも教授ならびにリサーチャーを務めている
フォーク,ディーン[フォーク,ディーン][Falk,Dean]
フロリダ州立大学人類学教授。特に関心のあるテーマは性差、および脳内の言語と音楽の起源。人類が大きな脳の加熱をどのようにして防いでいるかを説明する「ラジエター仮説」で有名
山下篤子[ヤマシタアツコ]
翻訳家。北海道大学歯学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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