内容説明
本書は、月船禅慧の偈頌集『武渓集』上下二巻を翻刻し、訓読、註、意訳を加えたものである。同集は月船の高弟であった物先海旭が編纂、註および序文を付して天明三年(1783)に刊行した。その後、寛政二年(1790)、文政二年(1819)に再刊されている。底本には、円覚寺所蔵の誠拙周樗手沢本を用いた。同本は、天明三年の初版本に月船の高弟であった誠拙が書入れを施したものであり、偈頌の解釈はもちろん、謎の多い月船の伝記考証に寄与する多くの情報を含んでいる。なお、誠拙書入れおよび底本註は、物先序文における初刊と再刊の異同に関するものを除き、そのほとんど全てを本書に取り入れた。
目次
武溪集 卷上(偶成;遠遊;住庵;請雨;感懷 ほか)
武溪集 卷下(丹霞燒佛;南泉斬猫;趙州戴履;百丈;華林 ほか)
著者等紹介
横田南嶺[ヨコタナンレイ]
1964年、和歌山県生まれ。1987年、筑波大学卒業。在学中に、東京の白山道場で小池心叟老師について出家得度し、卒業後、建仁僧堂に掛搭、1991年から円覚僧堂に転錫して足立慈雲老師に参じ、その法を嗣ぐ。1999年、円覚僧堂師家、2010年、臨済宗円覚寺派管長に就任。また、2017年より花園大学総長に就任
藤田琢司[フジタタクジ]
1970年、愛知県生まれ。1993年、立命館大学文学部史学科日本史学専攻卒業。1999年、佛教大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、公益財団法人禅文化研究所所員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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