内容説明
「現実」に抵抗する藤村と、「現実」を容認する藤村。そしてそれらを作品に昇華する藤村。詩から小説への移行期、作家として成長していく、藤村の心の深奥と文学の根幹をさぐる。
目次
第1部 「現実」への抵抗(女性と「現実」―巖本善治の女性論との関わりから;社会に向き合う位置―『破戒』・「告白」の表記を通して;日常と非日常の間―「旧主人」に示された「現実」と宗教 ほか)
第2部 抵抗と容認の共存(「現実」を透徹する神秘的現象―「水彩画家」・『破戒』;日常を支える「不変」なるものへの信頼―「旧主人」・「水彩画家」;「現実」からの逸脱が意味するもの―「母」・「刺繍」・「サの愛妾」 ほか)
第3部 藤村と花袋・春夫(「生活」の内実を問う姿勢―島崎藤村と田山花袋;「現実」凝視の道程―島崎藤村と佐藤春夫)
著者等紹介
小林明子[コバヤシアキコ]
1961年兵庫県生まれ。白百合女子大学文学部国語国文科卒業。東京女子大学大学院文学研究科(日本文学専攻)修士課程修了。現在白百合女子大学文学部国語国文学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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