内容説明
飽食の時代といわれる今日、戦中・戦後の食糧危機時を経験した世代が少数となってしまい、救荒植物への興味が薄れ、スーパーや八百屋で販売されるものしか食べない世代へ変りつつあり、食の歴史を考える上でも救荒植物として史実に残った植物を、後世に残したい思いでつづった植物誌です。
目次
1 栽培植物とは
2 現在の野菜と雑草
3 安全な食べ物
4 救荒植物研究の歴史
5 救荒植物種の特徴
6 救荒植物を知ることの意義
7 救荒植物の食べ方
8 救荒植物の食品成分組成
草種別の解説
著者等紹介
佐合隆一[サゴウリュウイチ]
農学博士。茨城大学教授。茨城大学農学部附属フィールドサイエンス(FS)教育研究センター教授、同センター長(平成20~24年)、日本雑草学会会長(平成22~24年)、同副会長(平成19~22年)専門分野、雑草学、作物生産技術学、農作業学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiroki Nishizumi
2
いや、実に多くの雑草が食用になることが分かったが、救荒どころか山菜すら料理できない自分にはムダな知識かも・・・・2017/04/15
okimine_yuiki
0
古い文献の紹介が多いのが参考になる。江戸時代~近代にかけて食べられる雑草の本は断続的に書かれていたらしいが、戦中にたくさん出版されているのが物悲しい。阪神大震災で2月入ったら栄養が不足したという報告もあり怖ろしく感じる。平成の大都市では雑草の食べ方も忘れられていただろうし。基本的には「茹でておひたし」らしい。被災直後ならともかく茹で料理が出来る程度の水と燃料が来て、壊れかけの家から調味料を取り出せばビタミンとミネラルが補えるかもしれない。ただ雑草の所有権は土地の持ち主にあるはずなのでそこが気になった。次へ2021/03/23
ともたか
0
食べられる植物、食べたら毒になるもの。そして破天荒な気候にあっても 育つ植物と出来の悪い植物。いろいろな植物が存在する。 その中から人間が生きていくために、飢饉になっても生きていけるように 「救荒植物を増やしていく、絶やさないように大切にしていく」。これは 今後大切なことだ。大震災後 増えた地震、再び言われている富士山噴火 これらのことを考えると「救荒植物」を増やしていくことは必要なことのように 思える。 2012/11/05
nano87_coco
0
救荒雑草という概念がまず参考になった。 プランターの土の改良に、どうせなら食べれる日本の身近でつよい草を植えたいとの思いから辿り着いた本。 最初30p程度カラー写真が付いていて、図鑑のようでわかりやすい色味だった。後半は文書で解説だが、食用方法についてのデータ(参考文献)が古いのがちょっと気になる。(複数の文献を参考にしてあるが、例えば1944年発行?と書いてある)科学的にわかってきた有用で手軽な処理・食用方法もありそう。2019/09/30