出版社内容情報
どんなに整った美しい庭よりも、自分の家の庭がいちばんと思う。「もっと面白い庭とのつきあい方をお教えしましょう」本書は、ヨーロッパの片田舎で庭をいじりながら、自分自身の「自然観」や美意識を取り入れて庭をつくる、型破りな庭好きおじさんのエッセイです。なるべく虫や雑草を受け入れ、一つの自然の循環を感じながら、それらの生命の営みに驚かされたり笑ったり。かたち的には不完全でも、自分の庭がいちばんとお思いのすべての方に捧げます。―「かねがね天国で暮らしたいと思っていたけれど、今はここが天国だという気がしているよ」ある穏やかな夕暮れどき。となりの庭の主が誰にいうでもなくつぶやく。土をいじり、ネズミや鳥やリスなどの珍客とひとつの空間で過ごすとき、たしかに大地を踏みしめて生きていると感じることができる。日々庭に出て生命の営みを見つめるうちに、そこはおのずと楽園となる。原題:Foxgloves and Hedgehog Days
内容説明
「朝九時、リス。アップルパイ持ち逃げ。十二時半、スミス夫妻と昼食。午後四時半、カンムリガラお茶に来る」―オランダの片田舎に住むブライヤン氏はこんな風に、動物も人間のお客も同じ扱いで日記をつける。季節、動物や植物のざわめき、庭にそそぐ風…自分の庭やわずかな土のスペースから自然の神秘を発見する、田舎の庭のひそやかな愉しみ。
目次
ハサミムシ
縁取り花壇の輪舞
奇蹟のキノコ
笑うマツボックリ
断然スイセン
ハツカネズミと少年
ハリネズミの日
ラプソディー・イン・イエロー
訪問者
失楽園〔ほか〕