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出版社内容情報
大航海時代を経た18世紀ヨーロッパ。海外交易が華やかに繰り広げられる一方で、不正確な経度測定に起因する遭難事故が相次いだ。イギリスは1741年、経度誤差が30分以内の測定方法の考案者に対し、「国王の身代金」に相当する賞金を設定する。天文学者がこぞって天体の運行に答えを求めるなか、無名の時計職人が名乗りをあげた。その試みは、当時不可能といわれていた技術 ---船上で正確な時刻を計ることができる時計の開発--- への挑戦だった……英国で23週連続ベストセラー第1位!
内容説明
「経度を測定できたものに国王の身代金に相当する賞金をあたえる」歴史の波間に息づく情熱を描いたノンフィクション。18世紀イギリス。経度を測定するためにニュートンやハレーの天文学的方法とは別の道を探った男がいた。半生をかけて海上時計を作りあげたジョン・ハリソンの物語。
目次
仮想の線
時のない海
時計仕掛けの宇宙
びんのなかの時間
共感の粉
賞金
歯車作りの日記
バッタ、海に飛びだす
天の時計
ダイヤモンドの時計〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
蛸
6
当時、正確な経度を発見することは永久運動や万能薬の発明に等しい難事業だった。大航海時代の船乗りたちは、自らが地球のどこにいるのか(正確に)わからないままに航海していたのだ。あくまでも天体の運行だけを頼りに経度を割り出そうとする天文学者たちと一介の技術者に過ぎないジョン・ハリスンの競争が丁寧に描かれている。実際のクロノメーターを見てみたくなった。小品ながら非常に内容の濃い本。2017/03/31
やすお
4
緯度を調べるのは容易い。物理的に北極と南極があり、北極星が見える角度などから観測できるからだ。一方で経度は物理的な基準がない(グリニッジも基準点の一つでしかない)ために、時間を計って計算しなければならない。言い換えれば、経度を知ることは、正確な時計を製作することと同義になる。ジョン・ハリソンは18世紀に、クロノメーターという航海で使える時計を開発した。本書はハリソンを中心に、過酷な環境でも正確に時を刻む時計にまつわる物語。まさに人生を懸けた時計製作の物語である。とてもドラマチックであり、楽しく読める。2018/06/14
Sensyuraku
1
緯度と違って正しく計測することの難しい経度を精密な時計の開発によって克服したという技術史の本。時計VS月と星の計測という科学史でもある。短めだしオススメ。西洋の国立天文台ってのは元々航海のためのデータ蓄積が目当てだったのは知らなんだ。2017/01/12
ryo_naka
0
今までは緯度と経度はセットで考えていたが、それが覆される話。 緯度は単純に太陽の動きによって赤道を0度とすることでみんなが納得できるが、経度はそうはいかない。 この時点で目からウロコである。 そしてそれゆえに緯度は空をみると知ることができるが、経度は正確な時間がわからないと知ることができない。そして海難事故となる。 正確な時間がわかると経度がわかるようになるということがまずびっくりだった。2017/05/29
ばく
0
クロノメーターの発明に関するお話.図が入ってるとより読みやすかったかな?2017/05/21
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