内容説明
サイクロトロン(加速器)の開発は科学者の意図を超えて原爆への道を開いた。現代科学の進歩と巨大化はどこに向うのか。サイクロトロン開発の歴史を探索し続けた著者が、その製作に関わった科学者たちの立位置を探り、現代科学の矛盾を問う。図版・写真など多数収載。
目次
いま、なぜ加速器の歴史なのか―問題点の科学史論的確認
第1部 1930年代各国のサイクロトロン開発(アメリカ―サイクロトロン発祥の地バークレー;日本―理化学研究所の小サイクロトロンと大サイクロトロン;イギリス―メトロポリタン‐ヴィッカース社の企業戦略のもとで;デンマーク―ロックフェラー財団の研究政策とニールス・ボーア;フランス―人民戦線政府の支援と国際分業による構成技術の実現;アメリカ―原爆開発のために売られたハーバードのサイクロトロン;アメリカ―ロックフェラー財団の184インチサイクロトロン計画)
第2部 原爆開発とサイクロトロン(亡命科学者レオ・シラード起草の「アインシュタインの手紙」誕生;プルトニウム爆弾構想の推移;原爆原料ウラン235の電磁分離法の開発とサイクロトロン)
科学者の1930年代
著者等紹介
日野川静枝[ヒノカワシズエ]
1948年栃木県に生まれる。1972年弘前大学卒業。1985年拓殖大学教員となり現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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