出版社内容情報
今や学校は国家権力に従順な奴隷的国民をつくる工場だ!義務教育制度が子供をバカにする仕組みを見破り、フリースクール旋風のきっかけとなった全米ベストセラーの初邦訳
内容説明
集中力を育てない「チャイム」、対立させる「クラス分け」、敗者だと自覚させる「競争」、階級を意識させる「成績評価」、自分の頭で考えない人間の生産工場…それが義務教育。日本の教育もまるで同じ惨状だ!!ニューヨーク州最優秀教師の全米覚醒のベストセラー。
目次
学校という神話―はじめに
義務教育における七つの大罪
精神病の学校
学校教育の「第四の目的」
私はこうして教師になった
もう学校はいらない
終わらせよう、学校教育の悪夢
著者等紹介
ガット,ジョン・テイラー[ガット,ジョンテイラー][Gatto,John Taylor]
アメリカの公立校教師。1990年ニューヨーク市最優秀教師、翌1991年にはニューヨーク州最優秀教師となる。教壇に立つかたわら現在の義務教育制度を正面から批判する論文、講演が高い評価を受けている
高尾菜つこ[タカオナツコ]
1973年生まれ。南山大学外国語学部英米科卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
futabakouji2
6
企業や社会にとって扱いやすい人材を作るシステムを作るのが学校という役割であると述べている。考えてみたらチャイムで時間を区切る必要はないはず。本当に勉強したいなら、興味を持った本を2時間~3時間と読みたい。しかし、時間だからと言って区切る。これは自分の気持ちよりも社会のルールを優先するように教え込んでいるんだよな~。子供が自発的に行動するようになったら、先生も学校で出世争いで失敗する。ただ筆者の言うように学校を失くしたら、そこで勤める教員はどこで就職できるするのだろうか?予備校、大学教授無理じゃね。2018/06/11
seichan
4
上は名門校から下はスラムまで教壇に立った、ニューヨーク州最優秀教師による「義務教育は思考しない労働者、つまりバカ量産装置」という事実の証言。いや、嘘じゃない。 例えばこんな要素とその必然性にどう答えられる? ・なぜチャイムが鳴った途端に、サクッと違うことをしなきゃいけないの?(それで集中力を養成しろって) ・なぜ同年齢で同じ地域の人間を一箇所に集めて同じことをさせる?(実世間にそんな会社が存在するかよ) 【闇を感じる事実】説得力ありまくりの衝撃の書なのに絶版。Amazonでメチャ高値ついてるのに何故?2020/04/03
トマト・デラックス
3
アメリカの義務教育課程を批判する話し。あまりにも広がりすぎた格差を目の当たりにして悟ったのだろう。弱い立場側からの視点で書かれた本。地域性、多用性がなく画一化した教育、グローバル資本主義経済に無批判に従属する人間を多く作ることを批判している。アメリカの教育制度と社会的背景を知っていればより深く読めたと思う。日本の教育はアメリカを真似て作ったのだから構造は似てるかもしれないが、少なくとも本書に書かれているような教育観は現状ないと思う。批判はするが要の代替案(ホームスクーリング?)が書かれていない。2014/10/01
POTATO
2
面白いです!主にアメリカの義務教育についての話ですが、日本にも言えることでしょう。読み書きそろばんは百時間あればホームスクーリングでできる。義務教育は、都合のいいバカで何も言わない消費者を育て上げてるだけ。本当に価値のある人間に育てるためには、興味のあることを体感させ、経験させ、感動させることが大切。そんな内容でした。やっぱこーいうのにはロックフェラーとかが絡んでるよなー。2014/06/19
ゆきにゃん
2
再読。アメリカの義務教育がいかに「従順な労働者を作るためのもの」であるか、歴史的な背景も含めて書いてます。人間的な部分を無視して画一的な方向でまとめようとする制度と、個性を大事にする地域社会を対比してます。地域社会はピンと来ないんですけど、たしかに制度のために人間があって、そのための教育をしてますよね。学校をわざわざ退屈にして消費拡大の方向性に向かわせるというのは飛躍してるように感じるけど、どうなんでしょうねぇ… ただ「自分で考えること」よりも「先生のいうことを聞く」ことを良しとされるのはヤバイですよね…2014/02/24