内容説明
百人には百のドラマがあった!藤原定家からおよそ8世紀。“歌がるた”の世界には顕れない人間模様を、味読愛翫しつつ綴る新・注釈。
目次
天智天皇―秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ
持統天皇―春すぎて夏きにけらし白妙の衣ほすてふあまのかぐ山
柿本人麿―あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む
山部赤人―田子の浦にうち出でて見れば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ
猿丸大夫―奥山に紅葉ふみわけ鳴く鹿の声聞くときぞ秋はかなしき
中納言家持―かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞふけにける
安倍仲麿―天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも
喜撰法師―わが庵は都のたつみしかぞ住む世をうぢ山と人はいふなり
小野小町―花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに〔ほか〕
著者等紹介
辻井咲子[ツジイサキコ]
愛知県立刈谷高等学校・東京教育大学(現筑波大学)芸術学科卒業。埼玉県産業技術総合センター入職後、県内中小企業の新製品開発・デザイン・企業内デザイナー育成事業に携わる。丸谷才一の『後鳥羽院第二版』に感銘を受け「百人一首」の注釈書を読み始める。2006年退職後、季刊同人誌「磊」に参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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