出版社内容情報
今年9月23日に急逝した日本を代表するテノール歌手五十嵐喜芳、初の自伝。幼少の思い出から、オペラプロデューサーとしての一面を初めて披瀝。彼の人生から、わが国の現代オペラ史を語る。
五十嵐喜芳は、1960～70年代を代表するテノール歌手。音楽プロデューサー。東京藝術大学在学中に「NHK・毎日音楽コンクール（現・日本音楽コンクール）・声楽の部で優勝。パートはテノール（テノーレ・リリコ・レジェーロ）。1963年『椿姫』で毎日芸術賞を受賞。二度のイタリア留学の後、ドラマ「コメットさん」にレギュラー出演するなどテレビでも活躍し、知名度を全国的なものとする。
彼の本領は、プロデューサーとしての力量にもあった。1985年から2003年にかけ藤原歌劇団総監督～新国立劇場オペラ芸術監督時代に行った、字幕付原語上演の導入など数々の試みは、日本のオペラ公演を変え、また今日のオペラ上演のスタンダードとなった。
本書では、自らの出生から兄の戦死や父の死、姉妹の死などで一人きりの五十嵐家となった経緯、結婚など、これまで語られなかった生涯や、歌手としてのベルカント唱法への想い、戦後の日本オペラを支えた歌手としての相貌と、オペラプロデューサーとしての一面をはじめて披瀝。著者の人生を語ることが期せずして、わが国の現代オペラ史を語る成果ともなっている。
【著者紹介】
日本を代表するテノール歌手。音楽プロデューサー。東京藝術大学卒。第3代藤原歌劇団総監督、新国立劇場オペラ芸術監督、昭和音楽大学・同短期大学部学長を歴任。
現在昭和音楽大学特任教授、宝塚音楽学校のカリキュラム編成アドバイザー（声楽）、日伊音楽協会会長、（社）日本演奏連盟理事。1991年春、紫緩褒章受賞。1998年秋、勲三等端宝章受賞。1999年イタリア政府よりコンメンダトーレ勲章受章。
2011年9月23日急逝。
内容説明
イタリアオペラを愛し、ベルカント唱法の真髄を究めたオペラ歌手、日本のオペラ公演を変えたプロデューサー。二つの貌を詳述した初の自伝にして遺稿。
目次
第１章 今からでも遅くはない
第２章 イタリアの空の下
第３章 忘れ得ぬ歌声
第４章 歌曲へ、つのる想い
第５章 藤原歌劇団の日々
第６章 芸術監督の時代
第７章 歌こそ命の妙薬
著者等紹介
五十嵐喜芳［イガラシキヨシ］
１９２８年生まれ。１９６０～１９７０年代を代表するテノール歌手。音楽プロデューサー。東京芸術大学卒。デビューは、１９４８年大阪で『カヴァレリア・ルスティカーナ』の「トゥリッドゥ」。在学中の１９５５年「ＮＨＫ・毎日音楽コンクール（現・日本音楽コンクール）・声楽の部」に優勝。パートはテノール（テノーレ・リリコ・レジェーロ）。１９６３年『椿姫』で毎日芸術賞。中川牧三、四家文子、ニコラ・ルッチ、ジャンナ・ダンジェロ、ティト・スキーパ、ジョルジュ・ファヴァレットらに師事し、イタリアに二度留学（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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メルセ・ひすい
