内容説明
本書は、「新しい歴史教科書をつくる会」をバックにした西部邁著『国民の道徳』に対するアンチテーゼである。とはいえ、単なる批判に終始するのではなく、西部氏の諸論に対抗して、あるべき道徳に関する各自の見解の積極的な提示を意図したものである。
目次
1 国民の道徳か、世界市民の道徳か
2 国民の道徳から市民連帯の道徳へ
3 西部邁『国民の道徳』「第3章政治について」を読む
4 現代民主主議論からの応答
5 伝統の解釈かアクチュアルな現実批判か
6 現代道徳論の前提―日本近代史の経験から
7 日本文化とジェンダー―性伝統の操作