内容説明
『物語 ギリシャ哲学史』にひきつづいて、本書では「魔女」や「蛮族」や「十字軍」まで登場させて、“神との対話”が絶対であった中世を、興趣深く語っている。
目次
懐疑と信仰
聖アウグスティヌス
聖アンブロシウス
聖ヒエロニュムス
蛮族
ヒュパティア
プロクロス
ボエティウス
スコラ哲学
エリウゲナ〔ほか〕
著者等紹介
谷口伊兵衛[タニグチイヘイ]
本名、谷口勇。1936年福井県生まれ。1963年東京大学大学院西洋古典学専攻修士課程修了。1970年京都大学大学院伊語伊文学専攻博士課程単位取得。1975年11月~76年6月ローマ大学ロマンス語学研究所に留学。1992年立正大学文学部教授(英語学・言語学・西洋古典文学)。1999年4月~2000年3月ヨーロッパ、北アフリカ、中近東で研修
ピアッザ,ジョバンニ[ピアッザ,ジョバンニ][Piazza,Giovanni]
1942年、イタリア・アレッサンドリア市生まれ。現在ピアッ座主宰。イタリア文化クラブ会長
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感想・レビュー
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amanon
3
タイトルが示唆するように良くも悪くも一般向けの哲学史の読み物。少なくとも、哲学科の学生のテキストには相応しくない。ただとっかかりにはなるけれど。でも単純に読み物として割り切って読むとかなり楽しめる。所々に挿入された余談や、作者の体験談が絶妙なアクセントになって、哲学にさして興味の無い人でも結構さくさく読み進めることができるのではないか?また、この語り口は翻訳によるものかもしれないが、なぜか米国人のそれを思わされた。何かに付け、暗黒とか不毛とか言われる中世哲学も切り口次第でこれだけ面白くなるという一例。2013/11/26
ユーディット
2
これしか知らないと問題だが、基礎知識の上に読むか、思想家に馴染む入り口として読むなら最高に読みやすい(かな?私が慣れているだけかも)。細かい所では不正確だったり、訳のカタカナ表記が拘っているようで理解できない等問題はあるが、彼にしか書けない内容でかなり愉しめた2012/12/30
lagopus55
2
「物語」というのがついているのがミソ。キリスト教公認した皇帝コンスタンティヌスが今際の際に、洗礼を施している司祭に「間違いないだろうね」と念を押したはなし。など有名無名の哲学者がぞろぞろ。私的に面白かったのは、ライヌンドゥス・ルルス。 キリスト教へ改宗させるため、実際上論争するため、中東全域を旅をし、このためにアラビア語を習得したという強者。もちろん悲劇的な最後を迎えました。ただこんな人がやってきたらかなり迷惑。スコラ哲学なんか大嫌いだ~っという人にはおすすめです。イタリア人著者のジョークと共にお楽しみく2009/11/22