内容説明
ル・コルビュジエに師事し、戦前戦後を通じて日本建築界に大きな足跡を残した建築家前川国男(1905‐1986)の生涯を追い求めた「近代建築」とは何だったのか。
目次
1 1930‐1945年
2 1945‐1959年
3 1960‐1969年
4 1970‐1986年
対談 建築家の思想(前川国男;藤井正一郎)
感想・レビュー
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びす男
48
近代建築の大家・前川国男は、東京文化会館や紀伊國屋新宿本店を設計した。地元の新潟市にも美術館が残っている■安易な独創性に走らず、終戦から高度成長にかけて、時代の要請をその設計に反映させた。硬派な建築家という印象を受ける■建築は、その時代や土地から独立しては存在し得ない。だから哲学がいる。巻頭には「一つの鋲、一握のセメントを使うときも、社会を、国家を、農村を思わねばならない」の言葉が紹介されていた■業界の趨勢のみならず、国内外の社会、政治、経済にも精通していた。分野によらず、一流とはこんな人であってほしい。2020/01/21