内容説明
18歳の時、ロシア革命の影響で『資本論』を読むが、半年で学問として矛盾すると捨て、その後台頭する国家社会主義にも厳しく反論していたため、オーストリアを併合したナチの逮捕から危機一髪で逃れたフェーゲリンは、以後移住したアメリカ合衆国で、一貫した保守主義者として、政治学の理論形式と教育に専心する。本書では、他人の言葉を語っても、他人の思想を自分の思想として語ることのなかったフェーゲリンの、学者としての自己形式と学問的背景が、E・サンドスの手によって率直に語られている。なお、生後14カ月から10歳までの記憶を語った「想記」を併録する。
目次
ウィーン大学
高校
マックス・ウェーバー
比較のための理解
シュテファン・ゲオルゲとカール・クラウス
純粋法学―新カント派の方法論
政治的な促し
学位論文について
一九二一年、二二年のオックスフォードについて
アメリカの影響〔ほか〕