内容説明
関川村。新潟県岩船郡。山にかこまれた、人口七五〇〇の小さな村です。とりたてて、何もない小さな村。有名な観光名所もなく、歴史に名を刻むこともなかった、誰も知らない、あたりまえの、どこにでもある小さな村です。通りがかりの人が、足を止めることもなく、通りすぎてしまうような無名で平凡な村。その何もない村に、いや、何もないからこそ、そこに人間らしい暮らしがあったのです。何もないから、人びとは、自分の力で、イキイキと楽しく生きていく方法を考え、あみだす必要があったのです。それは、自らの村を再発見する活動でした。人びとは、村のすみずみまで歩いて回り、そこに見捨てられていたものを発見し、心の宝石の鉱脈を掘りおこしたのです。その流れは、やがて精神障害者や、身体障害者の人たちが集う、心の居場所づくりとなっていったのは、当然の帰結とはいえ、この国ではほとんど考えられないことでした。読者よ、関川村を訪ねてみませんか。そこに、私たちが、どこかに忘れてしまったものを、見つけることができるでしょう。
目次
歌詞(全15曲)
ふるさとの明日を語る(「小さくてもキラリと光る村を」;「個立無限」 ほか)
小さいことはいいことだ(「耕す人」;「フォーク・ソングに教えられて」 ほか)
雑感文集
ねこやなぎ 楽譜(四曲)
著者等紹介
平田大六[ヒラタダイロク]
1933年、新潟県関川村生まれ。1957年、日本酒づくりのプロの技術者として、大洋酒造へ入社し、93~99年同社代表取締役。01年退社(専門は醗酵工学)
松浦幸子[マツウラサチコ]
1948年、新潟県生まれ。精神科ソーシャルワーカー。15年前、心病む青年たちの居場所づくりを始める。笑顔のステキな現役のいい女
笠木透[カサギトオル]
1937年、岐阜県岩村町生まれ。フォーク・ジャンボリーを企画・制作。フィールド・フォークを提唱。我夢土下座、フォークスを経て雑花塾を創立。「私の子どもたちへ」「あなたが夜明けをつげる子どもたち」など作品は800曲をこえる。CD「私の子どもたちへ」(音楽センサー)CDブックス「鳥よ鳥よ青い鳥よ」(たかの書房)など多数。現役のフォークシンガー
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